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追突事故低減ブレーキの性能はどのくらい?

スバルの「アイサイト」をはじめ、追突事故低減ブレーキの認知度は急激に高くなった。が、追突事故低減ブレーキは全て同じ性能だと思っている方が多いようだが、じつは大きく異なる模様だ。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

高くなる追突事故低減ブレーキの認知度

クルマが自動でブレーキをかけてくれるスバルの「アイサイト」のTVコマーシャルをたくさんやっているおかげで、追突事故低減ブレーキの認知度は急激に高くなった。今やスバルのディーラーを訪れるお客の90%以上がアイサイトを見に来るという。売れ行きも好調とのこと。確かに魅力的だ。

ガイドも何回か試してみたけれど、効果は歴然! 街中でのウッカリミスによる追突事故の大半は防げるんじゃないかと思えるほど。車両だけでなく歩行者などにも反応してくれるので、100%の防止効果こそなくても大いに魅力的な装備だと思う。次に買う車は絶対追突低減ブレーキ付きにする。

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エクステリアイメージ B4 2.0GT DIT EyeSight


追突事故低減ブレーキは玉石混淆

さて。アイサイトが有名になったため、追突事故低減ブレーキは全て同じ性能だと思っている方が多いようだ。例えば軽自動車のダイハツ・ムーヴやスバル・ステラにも同じようなシステムを5万円のオプションで装着可能。なかでもステラはアイサイトのスバルで販売しているモデルなので装着率が高いそうな。

しかし! ダイハツのシステムとアイサイトは似て非なるモノ。アイサイトの場合、30km/h以下の速度であれば事故にならず自動停止するというスペックを持つ。ダイハツのシステムは30km/h以下の速度域で稼働し、25km/h以下の速度なら事故にならず自動停止する。

ここまで読んで「5km/hの差ですね」と思うことだろう。けれど実際は大きく違う。アイサイトは30km/h以上の速度でも稼働しており、ガイドの経験では40km/hでも完全停止する。50km/hくらいだと五分五分といったイメージ。60km/h以上でも急ブレーキをかけてくれる。

スバルが自信を持って「止まります」とアピールしてるのが30km/hであり、30km/h以上でも明確な事故防止または低減効果を発揮してくれるのだった。ちなみにボルボの追突事故低減ブレーキは50km/hからの自動停止を実現しているから素晴らしい! 街中の追突事故はほぼ防げるかと。

一方ダイハツのシステムは31km/hになるとシステム全体が稼働しなくなってしまう。30km/hなら急ブレーキをかけてくれるのに、 31km/hだとシステムが付いていないクルマと全く同じ、ということ。もちろんスバルで販売しているステラもダイハツのシステムなので機能停止しちゃう。

その他、マツダはCX-5に付いているシステムだとダイハツと同じ31km/h以上で稼働しない。けれどアテンザのシステムはそれ以上の速度でも稼働し、追突を避けられなくてもキチンとブレーキは掛けてくれる(ただし歩行者は探知できない)。VWアップのシステムもアテンザと同じ機能だ。

というように追突事故低減ブレーキは玉石混淆。今後も両方のタイプが入り交じると思う。買うときはキッチリと確認していただきたい。
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