カーペット・絨毯・ラグ/カーペット・絨毯・ラグの選び方・お手入れ方法

カーペット選びのポイント(工法編)

カーペットを選ぶとき、皆さんは何を基準に選ばれるでしょうか? 色、肌触り、大きさ、値段……。もちろん見た目も大切ですが、今回はカーペットのつくりかた、それぞれの特徴についてご紹介します。ものづくりを知り、特徴を知ることで、自分のライフスタイルにあったカーペットを選ぶことができますよ!

堀田 将矢

執筆者:堀田 将矢

カーペット・絨毯ガイド

皆様は「カーペット」を何と呼んでいるでしょうか? 「カーペット?」「じゅうたん?」「緞通?」……。実はこの言葉それぞれ違いがあります。

「カーペット」というのはいわゆる「敷物」の総称。その中の「織物でつくられたカーペット」を「じゅうたん」。「手で『織られた』カーペット」を「緞通」と呼びます。

一言で「カーペット」といっても、いろいろな種類があって、それぞれ使い方も変わってきます。「色」や「サイズ」ももちろん大切なポイントですが、「素材」、「敷き方」、「種類」など様々なポイントがあります。

以前の記事で「素材」についてご紹介しましたので、今回は「つくりかた(種類)」をご紹介します。カーペットを選ぶ際に参考にしていただければと思います。

織物と刺繍

カーペットには大きく分けて、「織物」と「刺繍」という2つのものづくりの方法があります。
織物断面図

織物の断面図:白いシメ糸と横糸(緯糸)がしっかり織り込まれているのがわかります。


織物分解

織物を分解したところ:一本ずつ糸を抜いていくと、表面に出ている糸以外にも3種類の糸が織り込まれています。


刺繍断面

刺繍の断面図:白い樹脂で裏の麻の布が貼り付けられています。

刺繍分解

刺繍を分解したところ:裏の麻の布とカーペットの表面とが完全に分離してしまいます。


「織物」は縦糸と横糸(緯糸)を織り上げる製法で、日本昔話のおばあちゃんが「かちゃん、かちゃん」と織っているのが一番わかりやすいでしょうか。木材でいうと、「無垢材」といえます。

「刺繍」は布の上に、田植えのように糸を突き刺していく製法で、そのままでは糸が抜けてしまうので、樹脂でもう一枚布を貼り合わせてカーペットにします。木材でいうと、「合板材」といえます。

「織物」「刺繍」には、それぞれ「手作業」と「機械」があります。

■織物
【機械】……「ウィルトン」や「アキスミンスター」といった種類の機械があり、主に5つ星ホテルなどの宴会場(比較的歩行頻度が激しい場所)、住宅敷き込み用に使われています。
ウィルトン織機

ウィルトン織機


【手作業】……ペルシャ絨毯、ギャッベ、キリム、日本では鍋島緞通や堺緞通などの種類があり、主に毛足が短い柄物のエリアラグや、玄関マットなどに使われています。
堺緞通

堺緞通


■刺繍
【機械】……「タフテッド」と呼ばれる工法で、主にオフィスなどのタイルカーペットや、ホテルの客室(歩行頻度が比較的激しくない場所)などに使われています。
タフテッド

タフテッド


【手作業】……「ハンドタフテッド」と呼ばれる工法で、主にエリアラグの毛足の長い、無地調のものに使われています。
ハンドタフテッド

ハンドタフテッド


どの工法が良い、悪いということではありません。それぞれに特徴があるので、次のページではそれぞれの工法の特徴をご紹介します! カーペット選びの参考にしてください。
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