睡眠/理想の睡眠時間・睡眠不足対処法

あと1時間寝れば満足!?睡眠に関するアンケート調査

オールアバウトが運営するマーケティング・チャネル「生活トレンド研究所」が行った、睡眠に関するアンケート調査で面白いことが分かりました。ここでは、調査結果を踏まえて、睡眠を改善するアイデアなどをご紹介します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

2013年1月に、オールアバウトが運営するマーケティング・チャネル「生活トレンド研究所」が、「睡眠」に関するアンケート調査をインターネット上で行いました。対象はフルタイムで働く20~40代の男女で、900名から有効回答を得ました。

睡眠で重視しているのは、量より質

睡眠で「重視」しているものと、「今後改善したい」もの

睡眠で「重視」しているものと、「今後改善したい」もの

今回の調査で一番多い睡眠時間は、平日が6時間(43.0%)、休日は8時間(34.1%)でした。また、睡眠に対する満足度は、58.6%が「不満である」と答えています。さらに、睡眠で重視しているものは、「量(57.8%)」よりも「質(77.3%)」であることも、明らかになりました。

休日の睡眠時間が5時間以下と答えた人が7%いましたが、この人たちは睡眠時間がかなり不足していると思われます。ちなみに、1日平均で7時間前後の睡眠をとっている人が、もっとも病気になりにくく寿命が長いことが分かっていますから、できれば1週間で50時間ぐらいの睡眠時間を確保したいものです。

ストレスがある人は、ない人よりも睡眠満足度が低い

ストレスあり・なし別の睡眠満足度

ストレスあり・なし別の睡眠満足度

睡眠満足度をストレスの有無別で見てみると、ストレスがある人はない人よりも、睡眠に対して不満を抱く割合が2倍以上でした(ある=37.4%、ない=71.1%)。また、体格指数(BMI)を比較すると、ストレスがある人はない人よりも、平均値が明らかに高いことが分かりました。

体格指数(BMI)は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。18.5~25が正常値で、それ以下がやせすぎ、以上は太りすぎです。

ストレスなしの人の体格指数(BMI)は理想の22に近く、ストレスありの人の体格指数(BMI)は正常範囲にありますが少しやせ気味です。ストレスがある人は、ストレスが睡眠の質を悪くし、さらに睡眠障害がストレスのもとになるという、悪循環に陥っているものと思われます。

睡眠対策をしている人は15%

「睡眠」対策実施率

「睡眠」対策実施率

調査対象者全員に、日頃、睡眠のために何かやっているかを聞いたところ、「行っている」と回答した人は15.0%でした。さらに、「特に何も行っていないが、今後は何かやりたいと思っている」と回答した人は、過半数の50.1%。快眠法や快眠グッズへの関心が高いことも分かりました。

睡眠時間を延ばし睡眠の質を良くするためには、生活習慣の見直しや寝室環境の整備が大切です。生活習慣病の予防として勧められている生活習慣の多くは、睡眠のためにも取り入れると良い習慣です。また、寝室はなるべく暗く静かに、室温は16~26度、湿度は50~60%に保つように調整しましょう。一度のたくさんのことはできませんから、睡眠に満足していない人は、できるものから一つずつ実行してみてください。

ストレスがない人の生活習慣の特徴

ストレスあり・なし別の生活習慣

ストレスあり・なし別の生活習慣

日頃の生活習慣をストレスがある人とない人で比べたところ、ストレスがない人はある人よりも、「なるべく体を冷やさない」(ない=43.0%、ある=35.6%)、「休日でも平日の起床時刻の+2時間以内に起床」(ない=42.1%、ある=33.5%)、「夕食は寝床につくの3時間前までに終わらせる」(ない=42.1%、ある=29.1%)の項目に差がありました。

わたしたちは、体温が下がるときに眠気が強くなります。寝床につく1~2時間前にぬるめのお風呂に入ると、いったん上がった体温が急激に下がるので、寝つきが良くなります。体内の熱を逃がしにくい冷え性の人は、日中から体を温め、眠るときは湯たんぽを使うと、体が冷えずによく眠れます。

生体リズムを規則正しくするためには、就寝時刻よりも起床時刻が大切です。休日でも平日の起床時刻+2時間以内には、一度起きだしましょう。その後も眠気が強ければ、昼寝や仮眠をとって睡眠不足を解消してください。

おなかがいっぱいになると眠くなりますが、眠る直前に食事をすると、睡眠の質が悪くなります。夕食は、眠る時刻の約3時間前までには終わらせましょう。仕事などで深夜まで食事ができないときは、夕方に一度、おにぎりやパンなどを軽く食べておき、深夜の食事はその分のカロリーを差し引いて食べると、睡眠の質が良くなります。

使ったことがある快眠グッズと使いたいグッズ

使用したことがある/今後使ってみたい睡眠グッズ

使用したことがある/今後使ってみたい睡眠グッズ

数ある快眠グッズのうち、使ったことがあるグッズのベスト3は、低反発枕(42.9%)、湯たんぽ(29.1%)、アロマなど香り関連商品(20.1%)でした。一方、使ったことはないがこれから使ってみたいグッズでは、低反発マットレス(22.1%)と睡眠計(18.6%)が高い人気を集めました。

現在の使用率と今後の使用希望率の差が大きいグッズは、快眠動画・画像や睡眠計、光を使った快眠・覚醒グッズ、高反発マットレス、漢方薬などでした。今後は、これらのグッズの人気が高まるものと思われます。

平日にはあと1時間多く眠りたい

あとどれくらい睡眠時間が欲しいか

あとどれくらい睡眠時間が欲しいか

「あとどれくらい睡眠時間が欲しいか」という質問に対して、平日では「1時間」が最も多く31.2%、休日は「今のままで満足している」が41.0%と一番多いことが分かりました。

私たちは日中の活動のために睡眠時間を削ってきて、この50年間で平均睡眠時間が1時間も短くなりました。睡眠時間を短くするのはそろそろ限界のようなので、発想の転換が必要です。眠くて仕事の効率を落とすより、グッスリ眠って自分の力を100%出すほうが良いのではないでしょうか。

毎日の生活の中には、しなくてもよいことをやっている時間が結構あります。この無駄な時間を省いて夜の睡眠時間を長くしたり、その無駄な時間に仮眠をとったりして、充実した人生を送ってください。

【関連サイト】
生活トレンド研究所
理想の睡眠環境・寝室・ベッド・生活習慣
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