高級マンション/高級マンション選び

高級マンションの完成在庫見学をおすすめする理由

新築分譲時の売れ行きとマンションのクオリティは必ずしも一致しない。長らく完成在庫だった物件でも、完売したとたんに値上がりすることが、高級マンションでは意外に起こり得る。何故か?

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド


新築マンションを“早期完売”させるには

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床一面にバラまいた紙くずをゴミ箱に拾っていくとしよう。足元のゴミは屈んだだけである程度まとめて収穫できる。が、離れたものはいちいち歩いていき、ひとつひとつ取り上げなければならない。元の位置から遠いほど作業は非効率となる。

分譲マンションを建設し、販売する場合にも同じことがいえる。現地周辺の見込み客を集めるだけなら、宣伝費はそれほどかからない。不動産販売は現地看板が最もコストパフォーマンスの良い媒体といわれる所以である。逆に広域客を集めるには、それ相応の予算を覚悟しなければならないだろう。

したがって、早期完売を目指すなら、地元の賃貸世帯が実際に払っている家賃をローン返済額に見立て、借入額を逆算してグロス(物件価格)をはずさないこと。戸数が多いときは、第2第3の集客エリアを想定し同様にシミュレーションすれば良い。投下すべき宣伝コストも割り出せるだろう。つまり、早く売り切れる新築マンションは、まずは現地周辺の持ち家予備軍が「買いやすい家」であることが前提となる。

資産価値の高いマンションは“エリアナンバーワン”

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次に、買った後をイメージしてみよう。デベロッパーが供給しやすい「買いやすい家」、つまりボリュームゾーンの価格帯は、その地域の開発が止まない限り、どんどん新しい物件が投入される可能性がある。そしてそれは、新築中古を問わず、オーナーとなったあなた(が売却するとき)のライバルになる。

新築マンションを選んだ方なら、よくご存じのはずだが、マンションの設備仕様は日進月歩だ。建物の質は(もっといえば、建具などのグレードが劣ることはあったとしても、構造や設備の機能性や実用性は)後から売られるものに叶わないと思った方がいい。だから、資産性を求めるなら、まずは代替の利かない立地に目を向けなければならない。

資産価値に重きをおくなら、エリアナンバーワン物件をねらうこと。立地の希少性が地元(と、さらには地元以外から)の富裕層の関心を集める。それは、彼らの御眼鏡に適ったクオリティでなければならないため、建物のグレードも必然と上がり、高級マンションに格上げされる。簡単には競合があらわれないため、その物件は相場が揺るぎにくいのである。

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