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プレハブ住宅産業「半世紀」考

日本の住宅「産業」史をつくってきた(社)プレハブ建築協会の創立50周年祝賀行事が開催されました。昭和38年に当時の建設省・通産省の支援を受けて、日本の工業化住宅の発展に尽力してきた同協会。半世紀を迎え、市場は成熟し折り返し地点にある中で、日本の住宅史をリードしてきた同協会と会員であるハウスメーカー産業は今後どこへ向かおうとしているのか。講演内容を踏まえて考えたいと思います。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

半世紀を迎え折り返し地点に

半世紀を迎え、市場は成熟し折り返し地点にある中で、日本の住宅史をリードしてきた同協会と会員であるハウスメーカー産業は今後どこへ向かおうとしているのか。家づくりを考えている方にとって本来、住宅購入のノウハウや現在の情報だけではなく、こうした業界の歴史を踏まえたうえで検討いただきたいという想いを込めての執筆です。

行事

盛大に行われた創立50周年記念

(社)プレハブ建築協会(以下、プレ協)が設立されたのは昭和38年(1963年)。念のため、ガイドはまだ生まれていませんが(笑)、東京オリンピックの前年であり、日本初のアニメTV「鉄腕アトム」や「3分間クッキング」がスタートした年です。池田勇人内閣が所得倍増計画を打ち出し、貿易自由化が本格化し経済は右肩上がりの時勢でした。

当然ながら住宅は「量」がまだ不足し、公営住宅が量産されたものの、所得の伸びに押されたマイホーム需要にまだ戸数が追い付いておらず、3本柱「公団」「公庫」「公営」のもと、国の「住宅生産の近代化」政策が強く押し進められました。

ミゼットハウス

ダイワハウスの第一号住宅ミゼットハウス(写真協力:ダイワハウス)

政府主導の「住宅建設計画法」にもとづき「住宅建設5か年計画」が進められましたが、一定時期までは戸数目標に追いつくことが目指されました。そうした戸数路線が転機を迎えた一つの転機は、2005年、耐震偽造問題ではなかったでしょうか。数だけを追うことによる弊害と、少子高齢化による需要伸び悩みが予測される中で、政府は「数から質への政策」に転換し、平成18年(2006年)の「住生活基本法」が制定されます。

 

今こそ問われる住生活基本法

この「住生活基本法」の趣旨は「豊かな国民生活を実現するための住まいづくり」。具体的には高気密・高断熱による「省エネルギー」や長寿命化、1995年阪神大震災以降に関心の高まった「耐震性」、高齢化を見据えたバリアフリーやユニバーサルデザイン、少子化に伴う住宅のコンパクト化と子育てのしやすさ、中古住宅流通施策にみるストック対策などがテーマとして掲げられました。

復旧

災害時の復旧・仮設住宅支援への貢献も大きい(写真協力:積水ハウス)

特に、ハウスメーカー企業会員を束ねるプレ協は、工業化生産を支える部材の開発や生産・集約で貢献し、また災害時の復興住宅支援でも国や社会の要請にこたえてきました。昭和58年の三宅島噴火、平成2年雲仙普賢岳噴火、平成7年阪神大震災、平成16年新潟中越地震、そして先の3.11東日本大震災では「国の要請に対し5万戸の応急仮設住宅を、急ぐ国の依頼スピードにできるだけ応えるため日夜突貫工事で対応した」(積水ハウス和田勇会長)といいます。

一方で、急速な少子高齢化と人口減少、経済の低迷により、1970年代の最盛期には160万戸あった新設住宅着工は、100万戸割れし、70-80万戸になるとも予測されています。新築からリフォームへ、フローからストックへと言われて久しいですが、その流れが定着しているとはいえないのが現状です。上記の「住生活の豊かな目標」が達成されているともガイドは個人的に思えません。

半世紀を迎えた住宅産業は今後、どの方向に向かえばいいのか。当日開催された松村秀一・東大教授の講演内容を交えながら考えてみたいと思います。
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