妊娠の基礎知識/妊娠中のケア

いつから?どうやって?会陰マッサージの方法

会陰マッサージは出産時に会陰切開を予防したり、会陰裂傷を出来るだけ少なくするために行われます。28週からカレンデュラオイルを使い、お風呂上りなどにマッサージします。スイミングと併用するとかなりの確率で切開を予防できます。

浅井 貴子

執筆者:浅井 貴子

母乳育児ガイド

会陰の場所を正確に知ろう!

産む力を最大限に発揮できるような準備を

産む力を最大限に発揮できるような準備を

会陰とは膣と肛門の間の部分を言います。女性の外陰部全体が会陰を思っている人もいますが、肛門の上部と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

赤ちゃんが産道から出てくる時にそこを赤ちゃんの頭とおでこで押し広げます。赤ちゃんの頭囲は32~34cmありますので、かなり伸びます。大きめのグレープフルーツが膣(産道)から出てくると思うと、なんとか産めそうな気がしてきます。

会陰切開とは?

赤ちゃんの頭囲は32~34cmですが、直径は10cmとなるという事は先ほど述べました。会陰の長さは個人差がありますが

1.会陰の組織が短く硬い場合(高齢妊娠)
2.赤ちゃんの頭が大きい場合
3.吸引分娩や鉗子分娩の場合
4.赤ちゃんが仮死の場合

などの適応で会陰切開をします。切開する時は、局所麻酔をして、クーパーという医療用のハサミで肛門の方に向かって切開をします。

切開後は溶ける糸で縫合をして、退院する前日などに抜糸したり、そのまま溶ける方向で残しておく場合、二通りの処置の方法があります。椅子に座るときにひきつる、チクチクするという違和感があれば、抜糸をしてもらったほうが楽になります(詳しくは「会陰切開とは」にも書かれています)。

キャリアオイルの中でもカレンデュラオイルがおすすめ

妊娠中に会陰にオイルをたっぷりと塗布してマッサージをしておくと、会陰が柔らかく伸びやすくなります。

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AMOMA カレンデュラオイル

キャリアオイル(アーモンドオイル、ホホバオイル、グレープシードオイル)が適し ていますが、将来傷になりやすい部分なので、私はカレンデュラオイルをお勧めしています。

マリーゴールド(トウキンセンカ)をアーモンドオイルに浸してエキスを出したオイルで、カロテノイドやフラボノイドの成分があり創傷の治癒促進効果がとても高いオイルと言われています。たとえ切開して縫合しても、傷の治りがよいのがカレンデュラオイルです。AMOMA、WELEDA、ニールズヤード、生活の木などアロマショップなどで購入できます。

妊娠28週から始めるのが一般的

助産院などでは、親指を膣の中に入れてマッサージする方法が一般的ですが、私が長年行っている「プレママ☆アロマ教室」やWELEDAの「プレママセミナー」では衛生面を考えて、コットンにオイルを浸けて行う方法をお伝えしています。

妊婦さんの爪はネイルをしていたり、爪が長い人がいますので雑菌予防の為に、コットンにつけてマッサージする方法が良いと思います。いつやるかは、お風呂あがりに、週に2~3日程度からはじめて、臨月に入ったら毎日マッサージしましょう。マッサージの時間は2分ぐらいで大丈夫です。

最後はオイル湿布が効果的

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オイルマッサージしたコットンは捨てずにオイル湿布をしよう

マッサージしたコットンにはオイルがまだ残っています。それを捨てずにおりものシートなどに使い終わったコットンを置いて、ちょうど会陰に当たる部分にあてがい、ショーツをはいて一晩このまま就寝します。ずれやすいようであれば、レギンスなどのぴっちりしたものをはくと尚よいでしょう。このオイル湿布をするかしないかで効果の出方が違ってきます。

私の教室の事例ですと、40代でもマタニティースイミングをして、会陰マッサージをして、会陰切開なして3300gの赤ちゃんを出産された人もいます。

 
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実際の実技は手の部分を使って講習します

会陰は切るものが当然ではなく、少しでも自分の身体に傷をつけないで出産できたほうが産後の身体の回復は全然違います。

マッサージだけでなく、マタニティースイミングやアクアビクスをしている生徒さんは7~8割は切開せずに出産されています。実技がある講習は「プレママ☆アロマ教室」、またはWELEDAが主催する「プレママセミナー」などでやっています。自治体や病院などの母親学級、助産院、または病院の助産師外来などで確認する事も可能なので、興味がある人は積極的に聞いてみましょう。

カレンデュラオイルの効能の出典
マイナビ出版 「医師が教えるアロマ&ハーブセラピー」   

< 関連記事 >
・後期になったらぜひ!会陰マッサージに使えるオイル
・会陰切開しないで産むにはどうしたらいいの?
・会陰切開ってどういうもの?
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