子育て/子育て・ママ育て

ニートはこうして作られる(2ページ目)

我が子のためを思ってしていることが実は、我が子をニートに作り上げている場合があるのです。ニートは養育者によって作られることもある。そのことを、ぜひ知っておいてください。

執筆者:青木 美惠子

「子どもがニートになりやすい育児法」とは

「あれをしてはいけない。これをしてはいけない」。そう言われ続けたら人間だれでも消極的になります。反対に「好きにしていいよ」と言われ、それに従った結果として失敗ばかりを味わい続けると無力感により動けなくなります。つまり、指示をしすぎても、好きにさせすぎても学習性無力感を味わってしまう可能性があるということです。そして、一度学んでしまった無力感は恐怖を軽減・解消するためのモチベーションや躾、声掛けなどでは改善されません。先出のセリグマンの実験結果は、これらの方法はニートを社会参加させるために有効な手段とは言えないことを示しています。

では、どうするか。学習性無力感を払拭していくためには、自己肯定感を根っこから引き上げ、成功体験を積み重ねさせて行くことにあります。小さな成功体験でいいのでそれを積み重ねていく、この根気強い作業がひとつの突破口になるのではないでしょうか。焦らずゆっくりとこれに付き合っていく必要があります。学習した無力感を上回る肯定感を得られるまで、根気強く続けることが大切です。また、ニート予防には「否定批判をしない」「報い認め称える」「個性の評価」を心がけることも大切です。

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「あなたはどうしたいの?」と考えさせてから、アドバイスすることも大切です

いましている子育ての答えが出るのは10年後。年齢的には若干の個人差はあるでしょうが。だいたい思春期に入ったあたりだと考えていいと思います。子育てに絶対がないように、失敗もありません。問題が起きたらそれを修正すればいいだけです。その際には焦らないことが大切。長い目で見れば、子育て期は一生のうちの数年に過ぎません。とはいえ、一人で抱えていくには責任の重い問題であることもまた事実です。民間や行政の力を借りたり、専門家の力を借りて時期を乗り切ることも、もしかしたら現代のママたちには必要なときがあるのかもしれません。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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