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大阪ならでは「秋」の観光スポットと味覚

秋といえば紅葉のシーズン。大阪で最も紅葉が美しいスポットとして知られるのが、箕面です。真っ赤に染まった紅葉と雄大な滝の絶景は、訪れる人々を魅了してやみません。箕面ならではのもみじのご当地グルメもあり、さらに足を伸ばすと豊かな自然にあふれ、秋ならではの新鮮な農作物も手に入ります。

シカマ アキ

執筆者:シカマ アキ

飛行機の旅ガイド

秋の大阪 おすすめ観光スポットと味覚

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紅葉シーズン真っ盛りの箕面大滝 (写真提供:箕面市商工観光課)

大阪府北部に位置する箕面(みのお)市は、関西随一の紅葉スポットとして有名です。特に秋、紅葉のシーズンには多くの人々がこの地を訪れ、滝と紅葉の自然を満喫しています。鉄道・バスでの最寄り駅は、阪急箕面駅。車だと、箕面駅前などに有料駐車場があります。紅葉シーズン中、特に休日は鉄道も車も大変混み合いますので、早朝から訪れるのがおすすめです。

燃え立つ紅葉と豪快な箕面大滝の絶景

まず、箕面駅で降りて箕面大滝に向かう「滝道」を通っていきます。この道沿いも紅葉シーズン中は真っ赤に染まり、まるで紅葉のトンネルのような光景に。とても多くの人々が訪れてにぎわいます。

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箕面で最も紅葉が美しい瀧安寺鳳凰堂 (写真提供:箕面市商工観光課)

その箕面駅から15分ほど歩くと「箕面山 瀧安寺」に着きます。瀧安寺は、白雉元年(650年)、役行者が箕面寺を建立したのが始まりといわれ、現在も山岳信仰修験道の根本道場として知られています。また、本堂に日本最古の弁財天が祀られているほか、日本の宝くじ(富くじ)発祥の寺でもあります。紅葉が最も美しいのは、境内奥の階段を登った場所。箕面随一の“知る人ぞ知る”紅葉ポイントなので、ぜひチェックしてみてください。

そして、さらに25分ほど歩いた先にあるのが「箕面大滝」です。その滝が流れ落ちる姿が農具の「箕」に似ていたことから、箕面大滝と呼ばれるようになったと伝わります。落差は33m、「日本の滝100選」にも選ばれ“天下の名瀑”とも呼ばれています。

特に秋、燃え立つような紅葉が映え、岸壁から一気に水が流れ落ちる様子はダイナミックで見事な光景です。四季を通じてさまざまな光景を見せてくれる箕面大滝、周辺は豊かな自然にあふれていて身も心もリフレッシュできます。


箕面ならでは名物「もみじの天ぷら」

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店先で「もみじの天ぷら」を揚げている光景は、滝道の名物としておなじみだ

さて、箕面大滝に通じる滝道には、たくさんのお土産屋さんが20軒ほど両側に立ち並んでいます。滝までの2.7km、ゆっくり歩いても約40分の距離で道も緩やか、子どももお年寄りものんびり散策できます。

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もみじの葉を1枚ずつ手作業で揚げていく。もみじの形にきれいに仕上げるには“熟練の技”が必要と言われる

この滝道の名物が「もみじの天ぷら」です。もみじって食べることができるのか、と驚くかもしれませんが、かりんとうのようなお菓子で、子どもからお年寄りまで幅広い人気を誇る箕面の伝統銘菓。どの店も、店先に鍋を置いて1枚1枚、手作業で揚げているのは滝道ではおなじみの光景です。遊歩道を歩いていると漂ってくる、その香ばしいにおい。こんがりしたきつね色で、カリッとした歯ごたえと素朴な甘さが口の中に広がります。

 
もみじの天ぷらは、1300年ほど前、箕面の山で修行をしていた役行者が、鮮やかに色づいたもみじに魅せられ、その葉を灯明の油で揚げて天ぷらにし、旅人に振舞ったのが発祥といわれています。そして、明治時代に電車が開通して観光地として賑わい始めると、もみじの天ぷらを名物で売り始める店が増えていったそうです。ちなみに、天ぷらに使われているのは真っ赤なもみじの葉ではなく、「一行寺楓」という黄色い葉の品種です。

 

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昔ながらのごま入り「もみじの天ぷら」は、子どもから大人まで人気。滝道には約20軒のお土産店が並ぶ

滝道商店街にある老舗のお土産店「宝栄堂」では、3代目店主の植田和隆さん自ら、年中ほぼ毎日、店先に座ってもみじを揚げています。天ぷらに使う小麦粉や油などにもこだわり、長年の常連客も多いそう。店に訪ねてきて「こんにちは」「いらっしゃい」と、会話が弾んだ後、もみじの天ぷらをまとめ買いする客もいる人気店です。ごま入り1袋70g300円~。

ほかに、ほかに、箕面のサルをモチーフにした「ベビーモンちゃんせんべい」、あんやレモンなどのクリームが入った「もみじ饅頭」なども売られています。

さらに、箕面のご当地キャラクター“滝ノ道ゆずる”くんのもみじ煎餅も並んでいました。11月に入ると、箕面の滝道にあるもみじの葉がだんだん色づき始め、下旬ごろにピークを迎えます。見頃は12月上旬ごろまで。すばらしい紅葉と滝の絶景とともに、おいしいもみじのご当地名物もぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
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箕面のご当地キャラ「滝ノ道ゆずる」くんのもみじ煎餅も売られている


「道の駅」にも足を伸ばしてみよう

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大きなかわいい栗のオブジェが入り口にある「道の駅 能勢くりの郷」

箕面駅から車で1時間ほど走った場所、隣の能勢町にある「道の駅 能勢くりの郷」。時間に余裕があれば、ぜひここも訪れてほしいスポットです。

能勢は、栗の中でも高級品種、大粒で味がいい“銀寄”の発祥の地です。毎年9月中旬から10月中旬にかけて栗が出荷されるシーズンには、多くの人々がこの道の駅に買い物で訪れます。その他の時期にも、能勢産の“旬”の農作物が並び、特に秋だとしいたけ、玉ねぎ、かぼちゃ、さつまいも、ししとう、たけのこなど。さらに、米や手作りみそなどもあり、休日はもちろん、平日もレジに行列ができるほどの人気です。

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販売できない栗を活用した「くりジャム」「くりチョコ」。道の駅オリジナルで栗のおいしさが手軽に味わえる

道の駅で手に入れることができる栗のお土産でおすすめなのが、厳選された栗を使ってギュッとお酒の中に閉じ込めた「栗焼酎 銀寄」(1500円)です。能勢の地酒として人気急上昇中なのだそうです。また、市販できない栗を有効活用した「くりジャム」(550円)、「くりチョコ」(300円)も、ここでしか手に入らない道の駅のオリジナル商品。さらに、外にあるショップでは「栗もなかアイス」(180円)も売られています。

一方、道の駅にあるレストランひだまりで、能勢産の新鮮でおいしい食材を味わうことができます。

最も人気なのが「ひだまり御膳」(1050円)。天ぷら、鍋、ごはん、付け合わせ、漬物まで、ほぼすべて能勢産です。今のシーズンだと、栗ごはんをはじめ、米粉を使った天ぷらではなす、もろこまめ、しいたけなど。鍋には、白菜や水菜などがあり、漬物もこの道の駅の手作りとのこと。付け合わせのかぼちゃの煮つけはとても甘く、やわらかくておいしかったです。ボリュームもあってお腹いっぱいになりました。新鮮な野菜をたくさん味わうことができてこの価格、満足できること間違いなしです。
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「ひだまり御膳」は、天ぷらや鍋など能勢産にこだわってボリュームたっぷり

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「ほっこりうどん」は、ツルっとした素揚げうどんに能勢産の野菜がたっぷり。ヘルシー志向の女性に好評のメニュー

もう1つのおすすめメニューが「ほっこりうどん」(630円)です。大根、しいたけ、にんじん、かぼちゃ、白菜などはほぼすべて能勢産の食材が使われています。ツルッとした食感の素揚げうどんが、新鮮な野菜のおいしさをより際立たせ、野菜のシャキシャキ感を味わうことができました。野菜がたっぷりで“ほっこり”できる、ヘルシー志向の女性に人気が高いようです。

 
いずれのメニューも、旬の食材が使われるため、野菜などの具材は時期によって変わります。ひだまり御膳は、平日10食・休日20食限定(事前予約も可能)

大阪の秋といえば箕面、そして少し足を伸ばして能勢と、大阪府北部は特に秋、自然とグルメが存分に楽しめるエリアです。季節が十二分に感じられ、数々のおいしい体験もできる。絶好の行楽シーズン、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

<DATA>
箕面 交通・観光案内所 
住所:箕面市箕面1-1-1
TEL:072-723-1885

■ 箕面大滝
アクセス:阪急箕面駅から徒歩40分

箕面山 瀧安寺 
住所:大阪府箕面市箕面公園2-23
TEL:072-721-3003
アクセス:阪急箕面駅から徒歩15分

■ 宝栄堂
住所:大阪府箕面市箕面1丁目6-3
TEL:072-721-4156
営業時間:8時ごろ~18時ごろ
定休日:金曜日 (紅葉シーズンは無休)
アクセス:阪急箕面駅から徒歩5分

道の駅 能勢くりの郷 
住所:大阪府豊能郡能勢町平野535
TEL:072-731-2626
営業時間:9:00~18:00 (11月~3月は17:00まで)
定休日:火曜日 (7月~10月は無休)
アクセス:阪神高速池田線木部ICから約30分
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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