貯蓄/貯蓄を増やす習慣

若者が貯蓄しすぎでよい!という理由

「若者が貯蓄しすぎ」なのだそうです。一般に悲観的に取り上げられるニュースですが、筆者は「それでいい!」と強く主張します。その理由は、若者の資産形成ニーズの切実さです。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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若者は貯蓄しすぎで良くない?

若者が貯金しすぎだ、というニュースが話題です。
株式会社インテリジェンスの調査によれば、22~34歳のビジネスパーソン5,000人調査の結果、平均貯蓄額は338万円(3年連続増)だそうです。(年齢別の詳細も載っているリンクはこちら  )

日銀の金融広報中央委員会の調査をみても、若い世代の貯蓄率は際立っていて、手取りベースの貯蓄率は20歳代が14%と最多でこれに30代の12%と続きます(2人以上世帯)。20歳代の平均貯蓄額は302万円となっています(ただし、貯蓄額としては30歳代以降がこれを上回る)。

しかし、こうした話題をメディアが取り上げるときおおむね悲観的な取り扱いをされます。いわく「消費が冷え込む要因」「保守的な若者の消費行動」と解説したうえで「世相の不安を反映」「日本経済の今後にも影響」という感じにまとめれば記事のできあがりです。

でも、若者がお金を貯めることがそんなに悪いことなのでしょうか?

バブル世代と団塊世代の常識はむしろ害悪

私は歴史や社会風俗について調べるのが好きなのですが、「今どきの若者は使えない」というおきまりのフレーズは戦前のビジネスマン向け雑誌においてすでに掲載されているそうです。つまり、いつの時代になっても年寄りは若者を過小評価している、ということです(自分がかつてそう言われたことはもちろん忘れて、年を取ると若者を非難していることになる)。

あるいは自分が手痛い失敗をしたことを理由に子のお金の管理に制約を課す親もいます。「株はやめておけ」などが好例で、自分がNTT株の新規上場かバブル崩壊で大損した理由を分析もせず、子どもに「株なんかやるもんじゃない」と知ったかぶりをしています。それは「株が悪いのではなく、投資の仕方を知らなかった自分が悪い」のですが。

世代がやや近いバブル時代の新入社員(現在40歳代)は自分たちの無計画消費の傾向を若者が真似しないことが理解できないらしく、「ムダづかいしてお金の使い方は覚えるもんだ」などと言っています。バブル世代や団塊世代のお金の常識を、今の若い世代にそのまま適用しようとすることは、むしろ害悪が大きいと思います。

それではなぜ、若い世代は「貯蓄しすぎでもいい」のでしょうか。

→若者が貯蓄しすぎでもいい理由5つを次ページで
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