DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

国産DAWとして独自の進化をする、SingerSongWriter10

事実上、唯一の国産DAWといえるインターネット社のSinger Song Writer。その最新バージョンとなる「SSW 10」が、11月にリリースされます。海外DAWとは異なる独自色を鮮明に打ち出したSSWについて紹介してみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

20年以上の歴史を持つSinger Song Writer

SSW10

2012年11月9日に発売されるSSW 10

昔はレコンポーザやレクリエ、ミュージックPRO、マイクロミュージシャン……と、さまざまな国産MIDIシーケンサが存在していましたが、DAWの時代になって、残念ながらそのほとんどが姿を消してしまいました。

ご存知のとおり、CubaseやSONAR、Logic、ProToolsなど、ドイツやアメリカを中心とした開発会社が作るソフトばかりになってしまいました。

その中で唯一、残っているのが大阪のインターネット社が開発する、Singer Song Writerです。既に20年以上の歴史を持つこのソフトは、DAWの時代になっても、しっかりと生き残っているのです。その歴史を紐解くと、最初のバージョンが出たのは1991年と、20年以上も前のこと。NECのPC-9801用のソフトとして誕生したのです。

MIDIシーケンサ中心の当時から、ちょっと独自色を発揮していたSSWは「アレンジ」機能というものを前面に打ち出していて、曲のジャンルとコード進行を設定するだけで、自動的にバッキングパートが作成できてしまうという、ユニークなソフトとなっていました。

その後、Windowsの時代になってもいち早くこれに対応。そしてMIDIシーケンサから、オーディオ機能を加えたDAWへと変身していったのです。もちろん、ASIOだ、VSTだ、VSTインストゥルメントだ……と、さまざまな規格が海外から押し寄せられてきた時代ですから、それに対応していくのは、やはりとても大変だったと思いますが、それにうまく対応してきたわけですね。

ただ、2003年末にSinger Song Writer 8.0 VSがリリースされて以降、ずいぶん新バージョンが止まってしまっていたため、心配していたのですが、2010年に完全に現在のDAWとして生まれ変わったSSW 9をリリース、さらに2012年11月に海外のDAWにはない、国産DAWならではの機能がいろいろと盛り込まれたSSW 10がリリースされることになったのです。上位版のProfessionalと標準版のStandardの2種類があり、他のDAWからの乗り換えというクロスアップグレード版というものも用意されているので、結構安価に入手することができるようになっています。

【関連記事】
CubaseにSSWでレコポ的数値入力機能を!
Singer Song Writer 9へ、6年半振りのバージョンアップ

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます