文章:平野 秀昭(All About「関西の住宅事情」旧ガイド)
昨年、自民党税調が打ち出した平成16年の税制改正案で、不動産関連の改正案も多くあります。
その自民党税調が提出した税制改正案は、春の国会で通過し施行されるのが毎年の通例です。
平成16年度の不動産関連の税制改正案の中で、みなさん良く知る「住宅ローン控除」については、多くの記事で紹介されていますので、ここでの紹介は控えますね。
ここでは、譲渡損失に関連する税制改正について説明します。
譲渡損失の損益通算と繰越控除
かつては、不動産は年々値上がりするもので、ある程度長期で持っていた後に売却すれば、大抵は利益が出たものでした。
しかし最近では、土地建物を売っても赤字が出るというケースが多々あります。
というよりも、売って赤字が出るケースの方が多いような感さえあります。
そこで、平成15年までの税制では、不動産を売って赤字が出た場合には、他の所得(給与所得など)から差し引けることになっていました。
それは、翌年1年で差し引ききれない場合、翌年以降3年分の所得からも差し引くことができたのです。
こうすることで課税所得が減り、不動産で赤字が出ても、他の所得から減税を受けられ、不動産売却損のリスクを軽減することができたのです。
これを、譲渡損失の損益通算と繰越控除といいます。
この譲渡損失の損益通算と繰越控除が、平成16年の税制改正案では、全く認められなくなります。
つまり、不動産売却で出た赤字は、給与所得や事業所得など他の所得と通算するという節税が使えなくなるのです。
これは実質増税となり、こういった場合は猶予期間が持たれるが通例ですが、今回は猶予期間を認められないようなことになりそうです。
そうなると、残念ながら今からでは手の打ちようはなくなります。
ちょっと酷いように思うのは、私だけでしょうか?
しかし、これは自分が住んでいる家の売却損ではなく、土地や住んでいない建物に対しての売却損のことですので、自宅の売却で損を出した方は安心してください。
そういう自宅の売却損についての税制改正は、次の「特定の居住用財産の買い換えの譲渡損失繰越控除」で説明いたします。