イスタンブール/イスタンブールの観光・世界遺産

イスタンブール考古学博物館(2ページ目)

歴史の町、イスタンブールを代表する考古学博物館。世界有数の規模を誇り、保管遺跡物の数は100万点余り。日本の歴史からは考えられないような大昔の遺跡オンパレードの博物館ながら、流れる空気は微妙にまったりしていて、そこもまたマニアにはたまりません。イスタンブール観光必見スポットはこちらから。

執筆者:安尾 亜紀

考古学博物館

考古学博物館

ただの石棺とは思えない素晴らしいレリーフたちは必見!

アレキサンダー大王の石棺

アレキサンダー大王の石棺は、ガラスケースに入っているのですぐわかります

建物そのものを見ても分かる通り、ここは3階建ての広大な博物館。見どころも数多くありますが、メインは大体一階に集中しています。とりわけ紀元前400~500も昔の石棺のレリーフたちは素晴らしく、例えば歴史について詳しくなくても、「アレキサンダー大王の石棺」に彫られた躍動感あふれる彫刻は一見の価値アリ。ただし、これは名前と異なり、実際には古代フェニキア王国シドンの王、アブダロニモスの墓だと考えられているようです。

 

タブニトの石棺

タブニトの石棺と、奥がタブニト王のミイラ

考古学博物館建物の柱建築にも採用された「嘆き悲しむ女たちの石棺」は、男の死を悲しむ妻や妾18人の表情がそれぞれ表現されているのだとか。 一方、「タブニト王の石棺」には『王の眠りを妨げる者は皆呪われる。彼らとその血族はこの世界でも、また他のどの世界においても平和を見いだすことはないであろう』と書かれているというのに、ここにはミイラまでちゃっかり展示されてしまっており、その呪いの行く先が気になるところ……。

この他、アルカイック期~ローマ時代にかけての彫刻も見どころスポットの一つで、布のたわり方や筋肉の動き、微妙な表情も如実に表現された豊かなレリーフなど、今にも動き出しそうな彫刻の数々は一見に値します。さらにトロイの遺跡から出てきたプチかわいい装身具やヒッタイト時代に粘土板に書かれた古い手紙など、大昔の人々の生活を垣間見るような見どころ満載です。

 

古代オリエント博物館

古代オリエント博物館

考古学博物館よりはかなり小規模なので、気楽に見られます

カディシュ条約

ヒッタイトとエジプトの間で結ばれた、世界最古のカディシュ条約(©Istanbul Arkeoloji Muzesi)

入口すぐ左手にあるこの博物館では、入口階段脇にハットゥシャシュ遺跡から発掘されたライオン像が鎮座しています。ここにはアナトリアとメソポタミアのギリシャ以前、エジプトとアラビア半島のイスラム以前の時代という、考古学博物館以上に古い古代王国文明の遺跡が中心に展示されています。

とりわけ粘土板に刻まれた文書コレクションは類まれなるものがあり、紀元前13世紀に書かれたという、世界最古の平和条約・カディシュ条約、そしてかのハムラビ法典(学校や裁判所で使われていたというハンドブックバージョン!)、そして紀元前18世紀に書かれた世界最古のラブレターもあり、小さな博物館ながらも壮大な歴史の流れを感じずにはおれない博物館です。

 

タイル博物館

タイル博物館

建物の入口のタイルだけでも目を見張るものがある、タイル博物館

タイル博物館

繊細な文様と何年たっても美しい色どりに感嘆

トルコに来ると、どこに行っても思わず目がいってしまう美しいタイルの数々。この博物館では、セルジューク~オスマントルコ帝国時代の11~20世紀頃に作られた、キュタフヤ、イズニック、チャナッカレのタイルや陶磁器を約2,000点保存しています。博物館、というにはやや規模が小さすぎる感じで展示数もかなり少数ですが、乾いた色合いが多い遺跡や彫刻に見飽きた目に、タイルの美しい色彩があでやかにうつります。今日ではなかなか同じ色が出せないというイズニックブルーの微妙な色合いなどぜひご堪能あれ。1472年、ファーティ・スルタン・メフメットの令によって建設されたという建物自体に施されたブルータイルの細密な文様もお見逃しなく。

ただし、タイルを本気で鑑賞したい人には、ここの他、トプカプ宮殿建物やリュステムパシャモスク、エユップスルタン廟などのタイルもおススメです。

<DATA>
Istanbul Arkeoloji Muzesi(イスタンブール・アルケオロジ・ミュゼシ)
住所:Alemdar Cad. Osman Hamdi Bey Yokusu Sk, Gulhane, Fatih
TEL:0212-520-7740, 41
開館時間:09:00~19:00(夏期)、~17:00(冬期)、最終入場は閉館1時間前まで
休館日:月曜日
入場料:10トルコリラ
アクセス:トラムGulhane(ギュルハネ)駅から徒歩3分

※考古学博物館建物は、耐震補強工事のため展示室13~20が2012年9月まで閉鎖中
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