雑貨/ナチュラル・シンプル雑貨

千石で、紙、布、素材の店stock

おばあちゃんの街、巣鴨からも歩いていける、のどかなエリア、千石。古い一軒家にちょこっと手を加えた、新しいお店「stock」がオープンしました。世界各地で集めた、ほのぼのとへんてこで味のある、魅力的な紙ものや布、素材、日用品などがわんさか。店主はコラージュ作家のオギハラナミさんです。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

昭和な風情の店構え

昭和な風情の店構え

都営三田線の千石駅からは徒歩5分くらい。JR巣鴨駅からもお散歩がてら歩けます。風情の残る街並みの中に、溶け込むようにぽつんと一軒ある小さな店「stock」。(ちなみに左隣は[シンプル・クォリティ・健康 ココロとカラダの喜ぶモノ達]ai. のアトリエ、そして右隣りは夜は角打ちになる酒屋さん!)。外から見るとまったり和な店構えですが、中に入ってみると・・・。

これは一体どこの国?!ワクワクしますね。

これは一体どこの国?!この異様なワクワク感・・・

むむむ??どこの国に来てしまったか分からない、異国情緒ムンムンのお店です!アジアかと思えば、中近東っぽいムードもあり。いろいろ混ざってるけどなぜか落ち着く。そして妙な好奇心をそそられる・・・。店主はコラージュ作家として雑誌や書籍などで活躍するオギハラナミさん。さすが、店内も様々な要素が絶妙に入り乱れつつ不思議に調和している、コラージュ的な雰囲気。トルコ、アルゼンチン、ロシアの東側など、観光地としてはちょこっと外した、あまり一般的ではない国々を訪ね、いわゆるお土産物にはない、そこに住む人々の普段の生活用品のようなものを探し出して並べています。どこかの国の路地裏にある、ちょっと古びた荒物屋さんみたいな雰囲気。他の店にはなかなか売っていない、オギハラさん独自目線のオリジナルな品揃えです。一体どっから見つけてくるの??と思ってしまうような、素朴で味わい深いものが店内にごっちゃり溢れています。

この物件は元々昔、sasulai(さすらい)という、古道具と手作りの革バッグなどを売る店でした。その後、料理家・くらし家の塩山奈央さんのアトリエになり、さらに3代目として引き継いだのがオギハラさんでした。いつかお店を開きたいという想いは昔からあったそうですが、今まではギャラリーやショップの一角で年1回程イベントを開催することで、その想いを発散させていました。そうこうするうちに、いつもお世話になっていたギャラリーが閉店し、周りからの「やってみたらいいよ」という応援もあり、偶然この物件を紹介してもらい、あれれと思う間に、気づいたらするするとオープンに至ったそうです。
「最初は世田谷区辺りで探していたんですが、決まりそうだった物件が急にダメになって、結構がっかりしていたんです。そんなとき不意にここを紹介されました。代々の家主が、いい感じに手を入れながら暮らしていてくれたので、私はあんまり何にもしていなくて、家の家具を持ってきただけですぐお店ができちゃうな、と思いました。この辺りも雰囲気が良くて、いい場所と出会えたなと思います」。

紙袋どっさり。ざっくりした陳列の仕方も異国っぽい。

ひょえー。紙袋どっさり。ざっくりした陳列の仕方も異国っぽい。

さて、改めてお店に置いてあるものを見てみると、まず多いのはなんといっても紙製品。紙袋や封筒、包装紙などなど。物心ついた時から紙ものが大好きだったというオギハラさん。子供の頃、お母さんに貰った包装紙を大事に取っておいて集めたりしていたそうです。昔からある、素朴で日常的な日本のものや、外国製のちょっと粗雑でザラザラした質感のもの、印刷がずれていたり、変なテカリがあったりする紙に心惹かれるとか。例えばトルコではケバブ用に細長い袋、焼き栗やドライフルーツ専用には厚みがある袋など、紙袋ひとつにもその国の日常がどっぷり反映されている感じが面白いんだそうです。海外で買い付けするときは、何気なく入ったパン屋さんで入れてもらった袋が、いいな、と思ったら、その袋を指さして「これどこに売ってるの?」ととにかく片言でも聞いてみて、問屋街を探し出したりするそうです。あんまり普通の観光客が行かないところへも、ずんずん入っていくとすんごいお宝が隠れていたり。
「そういうところのお店の人は大抵、商売っ気もあんまりなく、私のような外国人をちょっと珍しがって見てたりして、のんびりしてるんですよ。そんな普通の街の日常に触れることも面白いですね。資材屋さんは目立たないことが多いので、仕入先を探し出すまでは結構大変だったりもするのですが、それがまた楽しいんですよね」。

お菓子の型やピック、カップなど。愛嬌あるへっぽこ感にそそられます。

お菓子の型やピック、カップなど。愛嬌あるへっぽこ感にそそられます。

パーツなどの素材や、お菓子に使う資材も多く並んでいます。レトロな色合いのストロー、アルミのちょっとヘボい雰囲気のお菓子型、素朴な木べらやチープなプラスチックのカップなど、少しとぼけた風情を漂わせつつ、お菓子作りやデコレーションにゆるーく活躍してくれそうなものがちょこちょこ見つかります。

左の布はトルコの刺繍オヤのフリンジ付き。右はブルガリアの奇祭クケリの絵はがき

左の布はトルコの刺繍オヤのフリンジ付き。右はブルガリアの奇祭クケリの絵はがき

今後も色々な国へ行って、面白い紙ものを探して紹介したい、ややマニアック度を深めつつ、ご近所の方にも気軽に楽しんでもらえる店になれたらいいな、とのこと。コラージュ作家であるオギハラさんのオリジナルグッズも今後は増えていくかも。紙好き、手作り好き、そしてお菓子作りが好きな人など、他ではめったに見かけない、可愛くて珍しい資材を探したい人は、ぜひ訪ねてみてください。


stock(ストック)
東京都文京区千石3-41-13
tel 03-6912-2046
open 木~日 12:00~19:00
blog http://stock-sengoku.jugem.jp/

オギハラナミさんHP
http://namiogihara.com/


千石駅前には八百コーヒー店という美味しいコーヒー屋さんもあるので、帰りにちょっと寄ってお茶するのにおすすめです。

八百コーヒー店
http://www007.upp.so-net.ne.jp/happyaku/
【編集部おすすめの購入サイト】
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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