疲労回復法/夏バテ予防法・回復法

暑さに強い身体とは?夏バテしにくい体を作る方法(2ページ目)

全くエアコンを使わずに夏を乗り切るのは難しいですが、普段から暑さに強く、夏バテしにくい身体になるためにできることがあります。今年の夏を元気に乗り切るために、上手に対応調節できる身体づくりのポイントを解説します。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

暑さ対策のポイントは「上手に汗をかける身体づくり」

体温調節には汗をかくこと!

体温調節には汗をかくこと!

汗をかくのは身体の温度調節のためにとても重要。上手に汗をかくには普段から身体を動かしたりして、汗をかく習慣をつけておくことが必要です。暑い真っ盛りに運動するのは大変ですし、熱中症も心配です。できれば夏前の5~6月の涼しいうちから汗をかけるようにしておきましょう。

具体的には、ちょっと暑い状況で、少し汗をかくくらいの運動を1日15~30分間、週3~4回、1ヵ月程度続けて、さらに運動後の30分以内にたんぱく質と糖質を多く含んだ食品を摂取すると、身体の血液量が増えて、暑さに強い体になるといわれています。

でも「運動?」といっても、そんなに構えなくても大丈夫。普段あまり運動していない人は、大股で早めに歩くことを3分間、その後3分ほどゆっくり歩いて、それを繰り返してみて下さい。コレを一日5回以上できれば、立派な15分の運動になります。大股に歩くのが難しい、という人は「1、2、3」とカウントして、3歩目を大きく踏み出すようにしましょう。

運動後のたんぱく質は10~20g、糖質は15~30gくらい摂ると効果が高まります。牛乳やヨーグルトなどの乳製品で換算すると最低300gくらいになり、一回に摂るのがちょっと多いという人は、数回に分けたり、バリエーションとして豆などのタンパク質や、おにぎりなどの糖類と組み合わせても良いと思います。

※参考:節電下の熱中症予防のための緊急提言(日本生気象学会)

着るもので上手に体温調節! はおりものを一枚持っておく

冷房のきいた室内と蒸し暑い外を往復すると、身体はその変化についてゆけません。5度以上の温度差に対しては、身体の温度調節機構はうまく働かないと覚えておきましょう。設定温度は省エネの面からも28度がオススメです。

といっても公共機関の冷房はどうしようもないし、オフィスの冷房もなかなか自分ひとりでは変えられないので、はおりものを一枚持ってこまめに脱ぎ着するのが上手な夏バテ対策。

さらに熱中症予防に危険なのは直射日光。室内ではTシャツ、ポロシャツなどの肌をだした軽装がおススメですが、戸外では反対に皮膚をあまり出さないようにしましょう。風通しのよい白いシャツを前あきで羽織ったり、日傘やつば広の帽子などで日光をさえぎるのもよいでしょう。

体感温度には湿度や風速が関係。除湿や扇風機をうまく使う

体感温度には湿度、風速などが関係します。冷房で体調が悪くなる人は「冷房より除湿」を心がけましょう。湿度が低いと涼しく感じます。さらに風があると体表から熱が奪われて涼しくなるので扇風機を併用するのもオススメ。28度くらいの設定の除湿で扇風機をサーキュレーター代わりに使うのも良いでしょう。直接冷たい風が体にあたるようにすると、体の表面の熱が奪われつづけて体が疲れてしまうので、扇風機も冷房も直接体に当たらないようにお気をつけ下さい。

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