株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

「1%ルール」を利用したトレードとは?

震災以来、日本の株式市場は下落傾向にあったものの昨年末からは株式市場が上昇トレンドに転換しました。しかし、現在は欧州の財政問題への不安が再燃していることで6月4日に日経平均株価は年初来安値を更新し、TOPIXもバブル後最安値を更新しました。このような下落トレンドのなかで有効な売買ルールとはどのようなものか考えて見ましょう。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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 欧州の財政問題への不安が再燃していることによりTOPIXがバブル後最安値を更新しています。まさに今の日本株はどこまで下がるか分からない下落トレンドに入っていると言えるのではないでしょうか。このような下落トレンドのなかで有効な売買ルールとはどのようなものなのでしょうか。今回は下落相場で機能しやすい「1%ルール」を利用したトレード戦略についてお話したいと思います。

日銀のETF買い入れと1%ルール

今回は売買ルールについてお話しする前に、売買ルールを考える上で利用した「日銀のETF買い入れ」についてお話します。日銀のETF買い入れとはその名の通り、日本銀行が株価連動型上場投信(ETF)の買い入れを行うというものです。

なぜこのような買い入れが行われるのかというと、株式市場の下落時に投資家に不安が広がると企業にとっても資金調達が困難になり経済全体にとって大きなマイナス要因になってしまう恐れがあり、それを回避するためこのような買い入れが行われています。

また、日銀はETF買い入れを行う明確な基準については明らかにしていませんが、広く「1%ルール」というものが知られています。「1%ルール」とは、前場の取引でTOPIXが前日比1%以上下落した場合、日銀がETFを買い付けが行われているというものです。

先ほども申し上げたように、日銀はETF買いに関して基準を明らかにしていません。しかしながら昨年末から約半年間、日銀によるETF買い付けが行われた日を見ているとこの「1%ルール」の通りになっていることが分かります。そこでこの日銀のETF買い入れを上手くトレードに利用できるか検証を行ってみました。

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