離婚/お金の問題

取りっぱぐれ注意! 離婚でもらえる3種類の「お金」

「離婚の瀬戸際にお金のことまで考えられない」と思っているなら要注意! 離婚することだけをゴールにしていると、その後に生活で思いがけず困ることが出てくるケースもあるからです。今回は、離婚でもらえるお金についてお話しします!

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

離婚でもらえるお金とは?

離婚でもらえるお金とは?


あたりまえの話ですが、別れを見据えて結婚をする人はいません。ですから、どんなに気丈な人でも、人生において「離婚をする」ということは、心身にインパクトを与えるものです。

また、離婚をするとき、精神的に疲れ切ってボロボロに参ってしまっている人は少なくありません。「とにかく別れる」という一点をゴールにして走り続けるあまり、大事なことを忘れてしまっているケースもときどき見られます。

それでは、離婚をする際に大事なことというのは、なんでしょう?

<目次>  

離婚するなら「お金」の問題をクリアにしてから!

それは、「お金」のことです。気持ちの面だけではなく、お金のことも視野に入れて離婚を考えましょう。たとえば、晴れて無事に離婚できたとしても、その後の生活をどうしていくかまでは考えていなければ、いきなり離婚の翌日から困ってしまうと思いませんか?

「別れることで頭が一杯で、とてもお金のことまで考える余裕がない」
「お金のことを話すなんて、ガメつい人だと思われてしまうのではないか」

もしも、そんなふうに思っているなら今すぐ考え方を改める必要があります。離婚とお金は切っても切り離せないほど、実は非常に重要な問題だからです。
 

離婚にまつわるお金には3種類あります!

自分ひとりで生活していく力のある人は別ですが、万が一の事態に備え、パートナーに請求できるものはしっかりとしておく必要があります。

離婚にまつわるお金は、3種類あります。いずれもこちらから請求しなければもらえないものばかりなので、この機会にぜひ理解しておきましょう。

 

離婚でもらえるお金 その1:「慰謝料」

慰謝料とは、婚姻関係の破綻の原因をつくった配偶者に対して請求できるお金のことをいいます。たとえば、夫の浮気が原因で離婚にいたったのであれば、夫に対して慰謝料を請求することができる、という具合に、精神的・肉体的な苦痛に支払われるものです。

こうした配偶者の浮気やDVなど責任の所在がハッキリしているケースよりも複雑なのが、「性格の不一致」や「家族との折り合いが悪い」といった場合です。これらは目に見える指針となるものがないために判断は難しく、責任の割合によって金額が決定することもあります。
 

離婚でもらえるお金 その2:「財産分与」

離婚ではもらえるお金はしっかりともらおう

離婚ではもらえるお金はしっかりともらおう


財産と聞くと、「ウチは資産家ではないので財産なんてないから……」と思う人もいるかもしれません。ですが、財産といっても必ずしも大金や財宝を所有しているという意味ではないのです。

財産とは、夫婦が結婚生活をしているなかで貯蓄した、銀行に預けているお金のことも含まれます。これを割合に応じて分割や分与をすることを「財産分与」といいます。

見落としがちなのは、共働きの夫婦に限らず、収入が夫か妻のどちらか一方にしかない場合でも財産分与の権利がある、ということです。さらに、たとえば銀行の口座の名義が夫のものになっていたとしても、妻が財産分与を受ける権利はあります。なぜなら、妻の協力があったうえで貯めた、夫婦共有財産と考えられるからです。

ちなみに、離婚の原因を作った側からも財産分与は請求できるので、お忘れなく!
 

離婚でもらえるお金 その3:「養育費」

子どもがいる場合は、養育費の問題が生じます。養育費は夫婦だけの問題ではなく、子どもが親から扶養を受ける権利があることを示すものでもあります。これは、親権の有無には関係ありません。父母は子どもの養育費を負担する義務があるのです。

養育費についての詳細や相場の金額は「養育費はどうやって決まる?」という記事で説明しましたので参考にしてください。ただし、もらい損ねるケースもあるので注意が必要です。

このように、「慰謝料」「財産分与」「養育費」という離婚にまつわる3種類のお金についてみてきましたが、実はもうひとつ、請求できるお金があります。それは、「婚姻費用」というものです。

婚姻費用とは、離婚前に別居をした場合にかかる費用のことをいいます。夫婦には、婚姻中と同じ生活レベルを継続できるように扶養する生活保持義務というものがあります。したがって、別居期間中の生活の水準が同居しているときも低い場合、生活費を請求できます。

いかがでしたか? ひと口に「離婚をする」といっても、それまでにやっておかないといけないことや、知っておかないと損をすることはたくさんあります。いっときの感情にまかせて離婚をするのではなく、その後の生活まで視野に入れて考える必要があるでしょう。今よりも幸せな将来を歩んでいくために一緒に頑張りましょう!

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