定年・退職のお金/老後の生活費と家計管理

老後の家計は年間で管理しよう

長い老後を平和に楽しく過ごすポイントは「健康」「いきがい」「経済(お金)」の3つです。ここでは3つめの「経済」、特に生活資金に焦点をあてて、その収支を長短のスパンで把握する必要性と方法を考えます。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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人生95年と考える

平成25年簡易生命表(厚生労働省)より男女の生存数を抜粋したもの

平成25年簡易生命表(厚生労働省)より男女の生存数を抜粋したもの

2014年10月4日に103歳を迎える日野原重明聖路加国際病院理事長は、今も現役医師として元気にご活躍中。その後ろ姿は、長寿で充実した老後は「健康」「いきがい」「経済」に留意しながら自立し成長し続ける日々の積み重ね、と教えてくださっているようです。

厚生労働省「平成25年簡易生命表」には次のようなデータが出ています。下記の生存数が1万人を切るのは、おおよそ男性95歳、女性99歳。男性は人生95年、女性は100年としてセカンドライフを考える時代になりました。

●寿命中位数(半数が生存すると期待される年数)
男性 83.19年
女性 89.40年

●生存数(男女各10万人の出生に対してそれぞれの年齢で生存する人数)
80歳男性 約6万1000人
80歳女性 約8万人
90歳男性 約2万3000人
90歳女性 約4万7000人

老後の家計は長いスパンで管理すべき

平成24年の高年齢者雇用安定法改正により、原則65歳まで働く環境が整いました。しかし、65歳リタイア後にも30~35年の長い老後が待っています。高齢になればなるほど収入を得る手段は限られます。最後まで充実した老後を過ごすためには、「健康」や「いきがい」への出費を含めて、長いスパンで緻密かつおおらかに家計を管理する必要があるのではないでしょうか。

「老後資金は大きく3つに分けて管理・運用しましょう」といわれています。日々の暮らしに必要な「生活資金」、万が一の時や楽しみのための「予備資金」、自由に使える「余裕資金」の3つの資金のうち、ここでは「生活資金」について考えていきます。

収入は一覧表で長期間管理しよう

リタイアする年齢によって若干の差はありますが、老後の定期収入の中心は、給与から公的年金等(企業年金を含む)に移ります。年金受給額は、同一世帯でも家族構成や年齢などによって数年間は変化しますので、「この金額がこれからほぼ続く」という年齢になるまで一覧表を作成して、収入の変化をキチンと把握する必要があります。
リタイア後の収入一覧表のサンプル

リタイア後の収入を「見える化」すると、一生の収支管理が楽!

生活費が不足するからパートやアルバイト収入で不足分を補う、といった方法は高齢になればなるほど難しくなります。年金収入は老後の生活資金の原資ですので、この作業は厳密に行いましょう。

>>老後は長いので、赤字が続くと大変なことに。さて、管理はどうする?
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