土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

老朽化物件の出口戦略(1) リノベーションする

賃貸住宅も築25年を超えた頃から傷みが激しくなってきます。当然、賃貸住宅にも寿命がありますが、建物の工法・構造により耐用年数が異なり、設備・外壁にも寿命があります。メンテナンス・修繕を行っても建物が老朽化してきた場合、根本的な対策を考える必要がありますが、リノベーション(再生)、建て替え、買い換え、賃貸経営からの撤退という4つの選択肢が考えられます。ここでは、リノベーションについてご説明します。

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アパートやマンションは、概ね築25年を超えたあたりからの傷みが激しくなります。そこで、オーナーさんとしては老朽化した建物をどうするか、決断が必要となってきます。売却か、建て替えか、リノベーションか、建物の構造・築年数・借入れ状況・老朽化の進行具合・入居状況など総合的なチェックをして、オーナーさん自身と家族の将来設計を考えて判断する必要があります。

古くなったアパート・マンションの対策、すなわち老朽化物件の出口戦略について、4回にわたってご説明します。

賃貸住宅の寿命とは

老朽化物件

老朽化は、少しずつ進んでいます

建物には寿命があります。日本には古来の匠の技で建てられ、1000年以上も残る法隆寺のような建物もありますが、一般的な賃貸物件に関しては、家の構造によっておよその耐用年数が決まってきます。

総務省統計局の「平成20年住宅・土地統計調査」によれば、賃貸用の建物が建てられてから取り壊されるまでの平均年数は約25年となっています。一戸建ては約30年ですので、賃貸物件の方が寿命が短いことがわかります。

伝統的な在来工法の木造住宅であれば、30年程度が寿命と言われます。あとはメンテナンス次第でその寿命が5年短くなったり、あるいは10年延びたりといったところでしょう。

ツーバイフォー工法は北米から導入され、耐震性や耐火性に優れた建築方式です。一流ハウスメーカー製のツーバイフォーの建物であれば、在来工法の木造住宅より長い、30~50年程度の耐用年数があります。もっともツーバイフォーでも町の一般的な大工さんが建てた場合の耐用年数は、在来工法とあまり変わらず、25~35年程度とみていいでしょう。

軽量鉄骨造は日本の建築の歴史の中では新しく、ハウスメーカーが鉄骨住宅を提供するようになったのは実質的に戦後のことです。しかしそれ以降、急速に商品開発が進み、一流ハウスメーカーの建物は認定工業化住宅として、どんどん耐用年数が延びています。こちらはツーバイフォー工法よりもさらに長寿命で、35年から良質なものでは50年以上の耐用年数があります。

3階建てなど一定以上の階層が必要なときには、重量鉄骨が用いられる場合もあります。これは通常の鉄骨よりも太い鉄骨を柱部分に使用しています。一部のハウスメーカーが製造し、耐用年数は軽量鉄骨の場合と変わらないとされています。大手ゼネコンで建築している重量鉄骨造の大型建物の場合、40~50年の耐用年数を謳っています。

大型の建物に用いられるのが鉄筋コンクリート造です。型枠の中に鉄筋を配置し、主に現場でコンクリートを流し込んで建てます。コンクリートの品質や厚みにもよりますが、耐用年数は50年から、長いものでは100年ほどあります。

鉄骨鉄筋コンクリート造という工法もあり、これも鉄筋コンクリート造と同様の耐用年数を持ちます。

ただし、ここまでは構造体の耐用年数についての話です。建物の構造以外に設備や外壁にもそれぞれの耐用年数があり、素材等によって変わってきます。外壁や設備のメンテナンスや修繕がきちんと行われていた場合、建物の寿命は構造による寿命と同じまで延ばすことは可能です。

しかし寿命とは別に建て替えの目安というものもあります。木造の建物であれば築25~30年が建て替えの目安とされ、鉄筋コンクリート造といえども、25~40年ほどで建て替えの話が出てくるのが通常です。

その理由の一つが、日本の建築基準法が20年に1度ぐらいの頻度で改定され、その都度、耐震基準などが強化されていることです。新しい建物の方がより地震に強くなっており、そのため賃貸物件では築年数が古い建物は入居者から敬遠されがちなのです。

また欧米では古い建物、歴史的建造物に対する尊敬の念が強く、賃貸物件でも築50年、100年といった建物がたくさんありますが、日本では新しい建物を喜ぶ傾向が強く、築30年を超えると入居者の確保に苦労するという現実もあります。

建物自体はまだしっかりしていても、外壁が古くなり、間取りも現代のニーズに合わなくなり、また防水を含めたメンテナンス費用もかさんでくることを考えると、その程度の年数で建て替えた方が有利ということが少なくありません。

更新日:2012年02月27日

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