夫婦関係/セックスレスの対処法

40代・50代熟年の夫婦生活…年を重ねるほど燃える妻と拒む妻

40代・50代以上の中高年・熟年夫婦のなかには、20年、30年なくてそれでよしとする妻、このまま終わりたくないという妻がいて、その感じ方は「妻それぞれ」。「快楽白書2012」を参考に、40代・50代以上の夫婦のセックスについて考察します。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

40代・50代熟年夫婦の性生活…20年以上セックスレスもざら?

最近抱かれたのはいつですか? 40代・50代の夫婦の性生活とは?

最近抱かれたのはいつですか? 40代・50代の夫婦の性生活とは?

先日、お医者様方の勉強会で「熟年女性の性」「女性の性欲」について講演をして参りました。50代以上の院長先生方の集いでした。子供を育て上げた40代・50代女性はそろそろ性に関心はなくなるのでは、と感じておられた方が多かったようで、私の調査した結果に驚かれることしきりでした。

NHK「セカンドバージン」が主婦たちの間で話題にのぼった2011年、中高年・熟年女性の恋と性について考えることが多く、男性週刊誌からの取材も後を絶ちませんでした。果たして子供を育て上げた年齢の女性達は夫と再度恋をしたいのか、夫以外の男性とでも恋をしたいのか?

女性誌では1年程度性交渉がないとセカンドバージンと定義しているものもあります。2年と定義する雑誌もありました。医学会の定義は見つかりません(ただし、セックスレスに関しては、1カ月性交渉がないことと定義されています)。私が運営する夫婦仲相談所には、20年~30年のセックスレス相談はざらですから、1年程度セックスがないだけで、セカンドバージンとはまだまだ早いと感じることしきり。

2人目の子供を産んで以来、30年近く夫との性生活も滞っていて、女としてこのまま終わるのは嫌だという趣旨の相談が寄せられる日々です。良いセックスなんてしたことないから、求められなくて充分よ、という女性にとっては何でもない話ですが、そうでない女性から見ると驚きの事実です。

男性視点では「30年も抱かれていなくて、まだその気があるのか?」と眉をひそめられそうです。食べ物やファッションの好みの嗜好が違うように「性」も人それぞれなものなのです。
 

40代・50代女性に聞いた婚外セックスの経験

40代・50代の女性のなかには、婚外セックスを楽しんでいる人もいる

40代・50代の女性のなかには、婚外セックスを楽しんでいる人も

40代から二極化する、妻達の性に対する本音」で参考にした『快楽(けらく)白書2012』の回答結果を見てみましょう。『快楽白書』は長い歴史を持つ『婦人公論』の別冊ですが、出るたびに大反響を呼ぶそうです。『快楽(けらく)白書2012』では巻頭で「閉ざしきれない心とからだ」という、現代の40代・50代女性の不安や、性への想いを調査した特集をしていて、読者258人の赤裸々な回答が提示されています。

■婚外恋愛や婚外セックスの経験はありますか?
YES……98人
NO……55人

フリーコメントからは、40代・50代の女性のなかには、潔く恋を謳歌している方もいる、ということがわかります。「4年前に恋人ができて精神的に安定し、肉体も若返って女としての自信がついた。夫とは20年間のセックスレス。うしろめたさはまったくない」(54歳主婦)という回答は、まさに、20年間放っておかれた夫への逆襲とも言えるコメント。

ほかにも夫から「もうお前は女じゃない」「子づくりが義務みたいなセックスはいや」「ほかの男としていい」「濡れないから気持ちよくない」等々、過酷な台詞を吐かれる妻達もいます。そういう夫に愛想をつかすわけではなく、離婚を望むわけでもなく、「あきらめる」妻達の声を多数耳にします。

そんな妻達の心の隙間に夫以外の異性が入り込むのは不自然ではありません。その異性は妄想の中の韓国タレントかもしれないし、ドラマの中のイケメン俳優かもしれません。リアルな昔の恋人もあり得ます。世の中の半分は異性なのですから。
 

40代・50代女性にとって夫婦生活のメリットとは?

40代・50代女性にとって、セックスのメリットとは?

40代・50代女性にとって、セックスのメリットとは?

では40代・50代女性にとって、セックスのメリットは何なのか、男性の皆さんは想像できるでしょうか。『快楽白書2012』のアンケートで「セックスのよいところは?」という設問があります。

1位 肌のぬくもりを感じて安心する
2位 精神的に安定する
3位 愛情を確認できる

快楽、オーガズムというよりは、「愛と安心」です。これは私が独自に行った調査でも同様の結果になっています。男性のみならず「うちはセックスレスですが何か?」「ないほうがラクでいい」とクールに考える女性の方にも気づいていただきたいベスト3の回答です。

性欲は人の三大欲求の1つです。食べて寝ることは無視できないのに性だけを無視すれば、何か寂しいものではありませんか。生殖を終えたら、性欲は不必要と蓋をするのではなく、向き合ってみることが大事だと思います。

もしかするとパートナーと性に関する考え方が違うことに気がつくかもしれません。「私したくない」vs「俺はまだ終わってない」と内心では思っていても、言葉にしないでいると、すれ違いがみるみる増幅します。

そしてセックスとは激しいピストン運動や挿入だけではなく、じっと抱き合う、相手をいとおしむ言葉をかけあう、そんな身体と心のタッチング全般ということを定義に入れるとよいのでは。
 

50代になってもセックスを楽しめる夫婦生活を続けるために

どれだけ年を重ねても、セックスレスにならず、ラブラブ夫婦でいるために

どれだけ年を重ねても、ラブラブな夫婦関係を続けるために

セックスは2人で楽しむものという基本概念を中高年夫婦、熟年夫婦で共有するには、相手の身体や病気のことを気遣うやさしさも必要となります。

女性は40代・50代に差しかかると、PMS、更年期障害、閉経、ホルモンバランスの乱れによる乾燥膣、性交疼痛など中高年・熟年ならではの不調が出てきます。そして男性は、私が研究しているED(勃起不全)の症状が現れます。これらにより、妻も夫もセックスに自信がなくなり、後ろ向きになりがちです。EDの症状により夫婦のQOL(Quality of Life 生活の質)が下がるとも言われています。

性器官の不具合は、伝えにくいもの、恥ずかしいものです。ゆえに、女性としての自信、男性としての自信がゆらぎます。不具合を指摘して責めるのではなく、ではどうしてゆこうかと、一歩先に進む夫婦こそが、コミュニケーション能力の高い夫婦だと思います。

『快楽白書2012』の調査で、51歳の女性のコメントが印象に残りました。「結婚して以来、閉経して1年経っても変わらず性生活があることに、夫に対して感謝しています」

そうです。まさに、抱きしめられることに感謝する、妻の鑑です。このご夫婦は80歳になっても90歳になっても寒い夜は背中をさすりあい、手をつないで寝るラブラブ夫婦になるだろうなと想像できます。

近年、アンチエイジングという言葉が浸透し、年を重ねても美しく若々しい女性がどんどん増えています。『快楽白書2012』を読みながら、女性は外見だけでなく心とからだが開放されることでたくましい美しさを放つということ、男性に愛されることで一段と自分に自信がつくことがわかりました。

※この記事の初回公開日は2012年2月14日で、日付を更新して再掲載したものです

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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