「福島の再生なくして、日本の再生なし」――早期の復興が望まれる
1月24日、第180回通常国会が開会しました。野田首相は2012年を「日本再生元年」と位置付け、(1)東日本大震災からの復旧・復興、(2)原発事故の収束、(3)日本経済の再生 ―― を野田内閣の3大優先課題として掲げました。国民の真の利益と、この国の未来を慮(おもんばか)る『大きな政治』、そして、重要な課題を先送りしない『決断する政治』を断行することを施政方針として公言しました。
昨年3月の東日本大震災は被災地に甚大な被害をもたらしました。1月10日現在、いまだ33万4786名(内閣府)の避難者が全国各地で暮らしています。被災地の苦難の日々に寄り添いながら、すべての国民が力を合わせ、復興を通じた日本再生に取り組んでいかなければなりません。福島の再生なくして、日本の再生はあり得ないのです。一刻も早い生活再建の実現が望まれます。
先の大震災はマンション市場にも多大な悪影響を及ぼしました。現実のものとなった液状化の惨劇は見る者を恐怖へとおとしいれました。工場の被災やサプライチェーンの寸断による部資材の不足、さらに、被災地に配慮した営業自粛といった供給面での制約が重石となり、2011年4月度の首都圏新築マンション供給数は前年同月比27.3%の大幅減少(不動産経済研究所)となりました。リーマンショック以降、持ち直しつつあった市場のセンチメントが、再び、悪化方向へと動き始めたのでした。
それ以降、首都圏のマンション市況はどうなっているのか?―― おそらく誰もが気になっていることでしょう。地震リスクの顕現化によって、持ち家志向(賃貸より持ち家のほうが有利)はその優位性を失ってしまいました。一般消費者の購入意欲は減退し、買い控えや様子見ムードが支配力を強めていきました。はたして、マンション市場は回復経路に復することができるのでしょうか。各種データから「震災後」のマンション市況を読み解くことにします。
2011年の新築マンション供給数は前年の水準を維持 販売自粛の影響は限定的
1月19日、不動産経済研究所から「首都圏新築マンション市場動向(2011年のまとめ)」が公表されました。それによると、首都圏マンションの年間供給数は“ほぼ横ばい”となり、大きく落ち込むことはありませんでした。供給制約による影響は限定的だったわけです。
【図表1】は、1996年~2011年までの首都圏新築マンション供給数を年間ベースで示したグラフです。2000年のピーク時(9万5635戸)と比較すると、2011年は半分以下(4万4499戸)にまで減少してしまいましたが、リーマンショックによる打撃を受けた2009年(3万6376戸)を下回るような落ち込みは見られず、前年(2010年)の水準を維持することができました。台頭する悲観論を尻目に、地震の影響は軽微だったことが分かります。
ただ、都県別に供給数を見てみると、2011年は千葉県だけが大きく落ち込みました。前年比29.6%の減少です(図表2)。やはり液状化の爪痕なのでしょう。調査元の不動産経済研究所は、「千葉県は着工戸数でも減少が続いており、当分の間、回復は困難だろう」と分析しています。
同研究所では、2012年の首都圏新築マンション供給数を年間5万3000戸と予想しており、「ローン審査の要件選別化で若年中堅所得者の購入意欲が減退。市場規模が縮小する中で、大手を中心にパイの奪い合いが激化する」と見ています。回復経路には復するものの、大幅改善が期待できるまでには至らないもようです。
続いて、次ページでは首都圏マンションの売れ行き(契約率)について、震災後の状況を見てみることにします。