住宅購入の税金

更新日:2011年12月29日

「消費税増税」に「復興増税」 W増税が住宅市場を襲う

「消費税増税」に「復興増税」—— W増税が住宅市場に襲いかかろうとしています。民主党は消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げようと取りまとめに躍起です。また、復興財源を捻出すべく、所得税と個人住民税の増税がすでに決定しています。どちらも住宅市場にとっては逆風となります。2013年以降に住宅取得を予定している人は、今後の動向から目が離せません。


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消費税の増税を巡り、民主党内の亀裂が表面化する

多くの企業が仕事納めとなる2011年12月28日、政界では不穏な動きが目に付きました。民主党の衆議院議員9人が同日の午前、離党届を提出したのです。「野田政権が目指す消費税率の引き上げは政権公約に反しており、容認できない」というのが離党の理由です。

わが国に消費税が初めて導入されたのは1989年4月。その年の年末の日経平均株価が3万8915円という史上最高値を付けた、まさにバブル絶頂期のことでした。そして、それから8年後の97年4月には消費税率が3%から5%へと引き上げられ、以降、そのまま現在に至っています。月日の経つのは早いもので、消費税を支払うようになってすでに22年が経過しています。

過去を振り返ると税率の引き上げに関しては、これまでも幾度となく議論が持ち上がりました。たとえば日本経団連が2003年に公表した「奥田ビジョン」(通称)では、2004年度から毎年1%ずつ消費税率を引き上げ、2014年度以降16%に固定するという提案がなされました。2025年までの日本社会の将来構想として、行き詰まる社会保障制度改革を突破口に、日本経済の基本設計を見直そうとしました。

また、2008年10月には麻生首相(当時)が「新・総合経済対策」として、「経済状況をみたうえで、3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と発言したのも思い出されます。リーマンショック(08年9月)が勃発したこの年、3年以内の景気回復に向けて、経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制の抜本改革に取り組もうとしました。

さらに、新内閣が発足して9日目の2010年6月17日、今度は菅総理(当時)が参院選マニフェスト(政権公約)の発表に伴う記者会見で「消費税に関する改革案をとりまとめたい」と発言しています。税率について「自民党が提案している10%という数字を1つの参考にしたい」と具体的な引き上げ幅にまで言及し、この発言(失言)によって同年7月11日の参議院選挙で民主党は惨敗を喫することとなりました。政権交代を実現させた2009年8月の衆議院選挙とは「正反対の結果」(惨敗)を自ら導いたのでした。あまりにも唐突な発言だったことが有権者に嫌気された格好です。


消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げ/民主党税調 

それから1年半、またしても消費税率引き上げの議論が沸き上がりました。民主党税制調査会は「社会保障と税の一体改革」の党原案に、「消費税率を2014年4月に8%、2015年10月に10%へ引き上げ」と明記することを決めました。当初は「2013年10月に8%、2015年4月に10%」としていましたが、反対意見が根強く、意見集約が困難になったため、引き上げ時期を半年間、先延ばしにすることで了承を取り付けた格好です。社会保障を維持・充実し、同時に財政健全化も達成すべく、野田総理の不退転の決意が一定の成果に結びついた瞬間です。

消費税率の引き上げスケジュール

 

実は、こうした増税への地ならしは、すでに2010年10月からシナリオ作りが進められていました。昨年、政府・与党社会保障改革検討本部を設置し、社会保障改革に関する有識者会議検討会を開催。さらに今年(2011年)2月から6月にかけては社会保障改革に関する集中検討会を開催し、精力的に議論を進めてきました。

他国に類を見ないスピードで少子高齢社会を迎え、また、停滞経済により税収の伸びも期待できないなか、国民皆保険・皆年金を堅持したまま受益感覚が得られ、納得感のある社会保障の実現を目指すには、「安定財源の確保」=「増税」が避けて通れません。これ以上、将来世代にツケ(借金)を回すことは許されないのです。社会保障に必要な費用は私たち全員で支え合い、負担すべきとの考えに基づき、今年6月、「社会保障と税の一体改革」の成案が取りまとめらました。

ただ、前述したように民主党内でも異論が噴出しており、亀裂が表面化しています。民主党は2012年2月~3月に与野党協議を経て大綱が取りまとめられ、3月末までに消費増税関連法案が通常国会に提出。最後は国民に信を問い、最終決断が下されるというシナリオを描いています。野党の協力がどれだけ得られるかが成否を分けるカギとなるでしょう。はたして、一連の増税議論がどのような決着を見せるのか、われわれ国民も来るべき“その日”に向けて、心の準備をしておく必要がありそうです。

続いて、次ページではもう1つの増税、「復興増税」について、その中身を見ていきます。




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平賀 功一

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