エクセルで30年分の未来年表を作ろう
ライフプランや年代やライフスタイルで異なるマネープランについて一通り理解できたら、人生の設計図である「ライフプラン表」をさっそく作っていきましょう。ライフプラン表に何年分という決まりは特にありませんが、私は働き盛りの世代には、30年間のライフプラン表を作成することをお勧めしています。30年間あると、働き盛りの人がリタイア前後までをイメージすることもできますし、子育て真っ最中の人が子育て後の自分の人生について考えるきっかけにもなるからです。
15年分の横長の年表を上下に2つ並べると、30年分の年表を作ることができます。下記のサンプルを参考に作成してみましょう(下の年表をクリックすると拡大します)。
タテ軸に家族の名前を記入する
30年分の年表が用意できたら、まずタテ軸に家族の名前を記入します。いま、家族と一緒に暮らしている人は、家族全員の名前を記入します。これから結婚をしたい、出産をしたいという場合には、未来の家族についても併せて記入しておきましょう。
また、パートナーや子どもだけでなく、親の名前も記入しておくことをおすすめします。現在親と同居していなくても、親の欄を設けておくことで、親と自分の未来を同時に考えることができるからです。
ヨコ軸に年齢を記入する
名前を記入できたら、ヨコ軸にそれぞれの家族について今後30年分の年齢を記入していきます。全員の年齢をその年の年末、12月31日現在で統一しておくとわかりやすくなります。また、これから欲しい子どもについては、名前の欄に「第1子」「第2子」というように書いて、いまから3年後に産みたいならば、3年に「0歳」と記入すればいいでしょう。
イベント欄に人生の3大資金を記入する
続いて、これから想定されるライフイベントを、家族それぞれについて記入していきます。まずは人生の3大資金(教育資金・住宅資金・老後資金))について考えましょう。子どもがいるなら、小学校、中学校、高校、大学への入学の年、就職の年を記入していきます。4月から12月生まれの子は年末年齢が7歳の年に小学生になります。1月から3月生まれの子は、年末年齢6歳の年に小学校にあがることになります。公立、私立の希望があれば、それについても書いておきましょう。
住宅取得の予定がある人は、住宅購入時期を記入します。頭金として用意する金額の想定があれば、購入時期に合わせて記入しておきます。すでに住宅を購入してローンを返済している人は、ローンの完済時期も記入しておきましょう。
老後資金については、会社員等で定年時期がわかっているなら、その年齢を記入しましょう。さらに、年金受給開始年齢についても記入しておくと、老後に収入が途切れる時期があるのかどうかがわかりますね。
その他のライフイベントを記入する
人生の3大資金が記入できたら、その他のライフイベントを書き加えていきます。車の買い替え、海外旅行、資格取得、再就職など、たくさんのライフイベントを自由に記入していきます。インターネットや本、各種カタログなどを参考に、大体の金額を調べて記入しておくと、夢がより具体化します。こうして、いくつもの夢を一つの表にまとめて記入することで、お金のかかるイベントが重なる時期や、収入が減少する時期、支出が落ち着いて暮らしが安定する時期など、いろんな時期があることに気がつくことでしょう。
俯瞰する
いくつもの夢をひとつのライフプラン表にまとめて記入し終えたら、まずはその表をじっと眺めてみましょう。自分のライフプラン表を眺めて気がついたことがあれば、気付きをメモして残しておきましょう。ラインマーカーで線を引く
子どもの教育費のピークと住宅ローンの返済が重なる時は、まさにお金のかかり時です。こうした時期がどのくらいの期間続くのか、ラインマーカーでお金のかかり時に線を引いておきましょう。それに対して、貯め時はいつなのか、その時にはどのくらいのペースでお金を貯めていくのかをあわせて検討しましょう。ライフイベントが重なる時期を調節する
ライフプラン表を書き終えると、マイホームの購入予定と自動車の買い換えが重なったり、子どもの受験と2年に一度の予定で書きこんだ海外旅行が重なったりと、いくつかのライフイベントが同じ時期になることもあるでしょう。そうした場合は、以下の方法でそれぞれの時期を調整します。- ライフイベントごとの時期を少しずらす
- 優先順位の高いイベントから実現を目指す
- それぞれの金額を見直す
- 収入を増やすなどして、夢を実現する方法を見つける
家族にライフプラン表をシェアする
ライフプラン表は一人で書くのもいいのですが、家族がいる人はみんなでぜひ書いてみましょう。できれば最初はそれぞれで1枚ずつ記入し、あとからみんなで見せ合うようにすると、お互い思わぬ発見があります。例えば、妻が「子どもは絶対に私立中学へ進学」と考えているのに対して、夫は「子どもは地元の公立中学校へ進学」と考えているケース。また、夫が「定年後は田舎に移住して、のんびりと畑を耕して暮らしたい」と考えていたのに対して、妻は「住み慣れた街を離れるなんて考えられない。老後は住み慣れた家で暮らしたい」と考えているケースもあります。
ライフプラン表の記入がきっかけとなり、夫婦がお互いの未来ビジョンを食い違いに気づき、コミュニケーションを深めることができれば、家族が同じ設計図をもとに人生を歩むことができます。
ライフプラン表は何度でも書き直してもOK
ライフプラン表を書いた後、予定がだいぶ変わることもあります。例えば、3年後に家を購入するはずが、いい物件に出会って購入を前倒しにしたというケース。不意に車を買い替えることや、仕事が忙しくなって予定していた海外旅行を先送りすることもあるでしょう。ライフプラン表は絶対的なものではありませんし、予定が変われば何度でも書き直してもいいのです。絶対的なものではないけれど、書くことで夢を明確化し、さらにマネープランで夢の実現を近づける、ライフプラン表はそんな便利なツールです。