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更新日:2011年11月09日
上場廃止の可能性も オリンパス損失隠し
All About 編集部
前社長の解任以後、当局はオリンパスが他企業買収にあたって不可解な金額を支払っていた事実を調査していました。そして、出てきた驚愕の事実とは……。
光学機器メーカー大手のオリンパスに今年2011年4月、外国人社長が就任しました。51歳のイギリス人であるマイケル・ウッドフォード社長は、今後のグローバル経済の中で経営立て直しを期待されていましたが、わずか半年後の10月14日、突如ウッドフォード社長は解任されてしまいます。「ウッドフォード氏と他の経営陣の間で、経営方針の違いが大きいため」と発表されたこの解任劇、これが全ての始まりでした。
2通の手紙
14日解任の直前、ウッドフォード社長は菊川会長に向けて、2通の手紙を送っています。10月11日付の手紙には、以下のような一文が含まれていました。
「ジャイラス買収に関するPwCの報告書に明らかなとおり、非常に多くの悲惨な誤り、そして並外れてお粗末な判断力が重なって、ショッキングな額に上る株主への損失が生じました。これは、ロンドンの悪質トレーダーによって起きた近年のUBSのスキャンダルと似通っています。私の見解では、ジャイラスをはじめ実質的に価値のない企業を買収したという問題は、オリンパスの下級職員ではなく、最高級管理職員によって執り行われたことから、さらに悪い事態だといえます」
「上場企業であるオリンパスがケイマン諸島の会社に7億米ドルもの度重なる支払いを行い、さらにこの会社を究極的に誰が所有しているか当社にはいまだに不明であるという事態は、まさに途方もない話で、事実を日本および世界の株主の知るところになれば、当社へのダメージは計り知れないでしょう」(以上、フジサンケイ ビジネスアイより)
ここに出てくる「ジャイラス」とは、イギリスの医療機器メーカーです。オリンパスは2008年にジャイラスを約20億ドル(当時は約2000億円)で買収していて、その際、ケイマン諸島にある企業に7億ドル(当時約700億円)もの助言料を支払っていました。また、PwCとは、プライスウォーター・クーパーズというコンサルティング会社です。
ウッドフォード社長は、この手紙によって7億ドルの不可解な支払いを菊川会長に求めました。その前にも、9月26日付で別の手紙を菊川会長に送り、同様の内容について問い合わせています。
そして2通目の手紙を送った3日後の14日、社長を解任されます。「経営方針の違いが大きいため」というオリンパス側の発表にも関わらず、ウッドフォード社長は「過去の買収に関する疑惑を追及しようとして解任された」と述べていました。
あまりに大きすぎる支払い額
社長の解任によって事態は隠しきれず、徐々に公になってきました。もともとこの問題はウッドフォード氏個人が気がついたものではなく、すでにある月刊誌などが暴露していました。
そのレポートによると、オリンパスは最近数年間で2件の不可解な買収行為を行っています。
1. 2008年にイギリスの医療機器メーカー「ジャイラス」を約2000億円で買収した際に、AXAM(アグザム)とAXES(アグゼス)という2社の投資助言会社に対して、約700億円もの巨額の助言料を支払っている。これは買収額の30%以上にもなる金額で、普通は数%という助言料の相場から考えると異常な金額。
2. 2006年から2008年にかけて、日本国内の企業3社を買収するにあたって、異常に高額なお金を支払っていた。その3社とは、288億1200万円で買収した医療関係の産業廃棄物処理企業の「アルティス」、214億800万円で買収した電子レンジ用容器の企画・販売の「ニューズシェフ」、231億9900万円で買収した化粧品や健康食品通信販売の「ヒューマラボ」。
これらの企業は年間売上が数億円程度の規模で、その買収額として200億円もの大金を払うのはかなり異常な取引です。2009年春には、この3社に対して500億円以上もの減損処理を実施しています。減損処理とは会計用語で、「価値が下がったから資産の評価額を下げて、損失として計上する」行為を指します。リーマンショックなどでこれら3社の評価額が下がったため、その減損処理を行ったとしていますが、通常ではかなり考えづらい措置です。
オリンパスという世界的な企業がこのような不審な取引を行っていたので、日本の証券当局は捜査を開始し、さらにはアメリカのFBIまで捜査を始めるなど、世界的に疑惑の追及が始まりました。
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