株式戦略マル秘レポート/西村剛の「統計で勝つトレード」

オリンパスは買いか?

7733オリンパスの株価が急落しています。過去の有価証券投資による損失を先送りしていたことを会社側が認めたため株価は連日ストップ安を付け、問題発覚時より株価は約76%下落しています。今回のオリンパスのように過去悪材料が発生し株価が急落した銘柄を分析することで、オリンパスの今後の動向についてシステムトレードの観点から分析してみました。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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7733オリンパスの株価下落の背景

7733オリンパスの株価が急落しています。発端は10月14日に発表された社長解任でした。当時社長であったウッドフォード氏が解任されたあと過去のM&Aにかかる10億ドル以上の費用に関する不透明な処理が明るみに出て株価は急落、11月8日に会社側が過去の損失を先送りしていた事実を認め連日株価がストップ安しています。さすがにここまで下落すると下がりすぎなのではと考える一方で、まだまだ株価は下がりそうだとも考えられるでしょう。そこで今回はオリンパスと同じように過去株価が大きく下落した銘柄の株価がその後どのように推移したかを分析することで投資判断に役立てようと考え下記の条件で検証をおこなってみました。

検証条件
投資対象:全銘柄
検証期間:1990年~2011年

買いルール
・終値と移動平均線(25日)の乖離率が-62%以下 かつ
・0日前の終値が18日前の終値と比べて76%以上小さい かつ
・1日前の終値がストップ安 かつ
・0日前の終値がストップ安 かつ

売りルール
・含み損益が30%以上

上記の売買ルールは現在のオリンパスと同じように、株価が25日移動平均線との乖離率や18日前の終値からの下落率から見て大幅に売られて過ぎている状況のなかで、更に2日連続でストップ安をつけている銘柄を買って、含み損益が30%に達したら売却するという売買ルールです。次に検証結果を見てみましょう。

検証結果

システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人



勝率: 49.33 %
勝ち数: 37 回
負け数: 38 回
引き分け数: 0 回

平均損益(円): 70,913 円  平均損益(率): 35.46 %
平均利益(円): 227,948 円  平均利益(率): 113.97 %
平均損失(円): -81,989 円  平均損失(率): -40.99 %

合計損益(円): 5,318,465 円  合計損益(率): 2,659.23 %
合計利益(円): 8,434,060 円  合計利益(率): 4,217.04 %
合計損失(円): -3,115,595 円  合計損失(率): -1,557.81 %

プロフィットファクター: 2.707
平均保持日数: 11.31 日

勝率は約50%、平均利益(率)が+114%、平均損失(率)が-41%と、勝つ確率は半々だが、買ったときの利益は大きいため統計的にはやや有効な売買ルールと言えそうです。次に過去どのような銘柄が該当したか、具体的なトレード一覧を確認してみましょう。

成績が良かったトレード一覧

システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人




成績が良かったトレードを見ると、

4848 フルキャスト(08年10月20日 4240円 → 10月27日 7490円)
8597 SFCG(08年10月28日 1270円 → 11月6日 1534円)

のように寄り付き直後が底値となり、そこから数日間反発が続くといったような形が多いです。

4848 フルキャスト(08年10月20日 4240円 → 10月27日 7490円)
システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人



次に成績が悪かったトレードを見てみましょう。
成績が悪かったトレード一覧

システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人



成績が悪かったトレードを見ると
・9205 日本航空(2010年1月14日 7円 → 2010年1月21日 2円)
・4313 アイエックスアイ(2007年2月2日 3500円 →2007年2月16日 1060円)
 のようにいったん寄り付いたあとも続落し最終的に倒産した銘柄が多く見られました。

4313 アイエックスアイ(2007年2月2日 3500円 →2007年2月16日 1060円)
システムトレードの達人

出所:システムトレードの達人


7733オリンパスの最終的なポイントとは

 今回の検証から分かることは、いったん寄り付いたあとの値動きをみてからでも遅くはないといったことでしょう。オリンパス自体は内視鏡世界シェア7割で本業は安定しているため、さすがに倒産まではなくあってもどこか他の会社が買収するという可能性はあります。そのため日本航空やアイエックスアイと同じ状況になる可能性は少ないと思われます。しかしながら倒産はしなくとも上場廃止の可能性はありますのでリスクは高いと言えるでしょう。

投資する場合は、上場廃止のリスクを考慮しつつ株価が寄り付いたあとの値動きを見てからでも遅くはないと言えるではないでしょうか。
 

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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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