確定申告・住宅ローン減税

更新日:2011年11月02日

金融政策から読み解く「住宅ローン金利」今後の行方

一進一退を繰り返す欧州の債務問題を尻目に、日本銀行は「金融緩和のさらなる強化」と「長期国債の積極的な買い入れ」を実施しています。その結果、日銀の国債保有残高は10月末時点で約90兆円に達し、年度末には100兆円の大台に乗る計算です。これでは長期金利が上昇するはずはありません。当然、住宅ローン金利も低位安定を維持することになり、当面、金利上昇の心配はなくなります。


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気になる年末に向けての「住宅ローン金利」の動き

10月27日のNYダウは339ドル51セントと、大幅上昇して取り引きを終了しました。26日(現地時間)にベルギーの首都ブリュッセルで開かれたユーロ首脳会議で、緊張が高まる欧州債務問題に対する「包括戦略」(下記参照)が合意に至ったからです。

また、7月~9月期の米GDP(国内総生産)が前期比2.5%成長(年率換算)となり、4四半期ぶりの高い水準を回復したことも買い材料となりました。米国景気の先行きに対する懸念が後退したことで、買い安心感が高まったものと考えられます。

「第2のリーマンショック」とささやかれる欧州のソブリンリスク ―― 2008年9月に勃発したリーマン・ブラザーズの経営破綻が「民間金融機関のレベル」だったのに対し、今般の欧州債務問題は「国家レベル」での危機となっています。

リーマンショックは、米国の住宅バブルを発端とするサブプライムローン問題に原因がありました。住宅ローン債権が不良債権化したことで、金融機関のバランスシートが毀損し、100年に一度といわれる金融危機を引き起こしました。資産バブルの崩壊により1990年代後半、日本で山一証券や北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行が廃業や経営破綻に追い込まれたのと仕組み(構図)は同じです。

これに対し、現在の欧州債務危機はギリシャ、スペイン、イタリアといった国々の財政不安に端を発します。「ユーロ圏レベル」の危機なのです。一大国家の存亡がかかっているわけです。未曾有の世界同時不況が襲来したことで、先進国も新興国もなりふり構わぬ財政出動を行いました。その結果、世界経済は急速な回復へと向かいましたが、矢継ぎ早に実施された財政出動の反動が深刻な財政赤字をもたらしてしまいました。

欧州債務危機の克服期待で株価は上昇  しかし、その実現性を危ぶむ声も…… 

しかし、ようやく一様の落ち着きを取り戻しました。債務危機克服への「包括戦略」が打ち出されたことで、緊張状態に一定の緩和効果がもたらされました。「包括戦略」は以下の3本の包括策から構成されており、不安心理の払拭に一役買っています。市場の受け止め方も総じて好意的です。

 <包括戦略における3つの柱>

(1)ギリシャ向け金融支援に対する民間負担を21%から50%に引き上げる
 銀行などの民間投資家が保有するギリシャ国債の価値を減額する

(2)金融の安全網である「欧州金融安定基金」の規模拡大
 民間資金やIMF(国際通貨基金)、新興国マネーを使って1兆ユーロ規模に拡大

(3)欧州銀行の資本増強
 自己資本比率を高め、資本増強を義務付ける


ただ、「問題の先送りにしか過ぎない」「民間投資家の賛同が得られるか疑問」といった声もあり、全面解決に至っていないのも事実です。週明け、ギリシャの首相が金融支援の条件として求められている財政赤字削減策を受け入れるかどうか、来年初めにも国民投票で決める考えを表明し、市場の動揺を誘っています。当然ながら日本経済にも影響することから、われわれとしても今後の動向を見極める必要があります。


次ページでは日本経済の動向、そして、今後の金利見通しを予想します。




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平賀 功一

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