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Facebookでばれる企業のレベル

フェイスブックに我が社も取り組まないと時代遅れではないかと感じますが、果たしてそうでしょうか。日本での人口普及率で言えばまだ4%という少数です。ただし、大きな時代のうねりであることは間違いありません。どう対応すればよいのかみていきましょう。

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

自社のお客さんはフェイスブック(Facebook)を使っているのか

日本のフェイスブックユーザーは18~44歳が中心

日本のフェイスブックユーザーは18~44歳が中心

日本のフェイスブック・ユーザー数が500万人を突破したと報道され、本屋へ行くと「Facebookビジネス活用法」といった本が棚に並び、雑誌ではソーシャルメディアの特集が組まれています。誰もがフェイスブックを使いこなす中、我が社も取り組まないと時代遅れではないかと感じますが、果たしてそうでしょうか。

アメリカで居住している人によるとフェイスブック・ユーザーは年齢、職業を問わず7割ほどが使っている感じで、反対にフェイスブック・アカウントを持っていない人がいると、なんでと理由が聞きたくなるぐらい通常のコミュニケーション手段として定着しています。

日本ではそれほど普及しておらず、500万人を突破したと言っても人口普及率で言えば4%。個人利用者約3300人を調査したインターネット白書2011ではフェイスブック利用者が25.7%。インターネットを比較的よく使うユーザーでこの割合です。

日本のフェイスブック・ユーザーの属性をみてみると男性が56%で、男女比率はそれほど変わりません。年齢は18~34歳が6割弱。18~44歳で見ると8割を占めます。つまり40代後半からシルバー世代で使っている人はほとんどいません。

フェイスブック(Facebook)は時代の大きなうねり

日本であまりフェイスブックが普及しないのは
・ミクシー(Mixi)など先行しているソーシャルメディアがある
・ネットは匿名文化と認識していて実名文化が受け入れにくい
・日本はブログ天国でフェイスブックに魅力を感じない
などいろいろな理由があります。

フェイスブック(Facebook)は時代の大きなうねり

フェイスブック(Facebook)は時代の大きなうねり

自社の顧客ターゲットが若者世代ならフェイスブックに積極的に取り組む必要がありますが、顧客ターゲットとマッチしない場合は、あわてて取り組む必要はありません。

ただしフェイスブックをはじめとするソーシャルメディアは大きなうねりとなって時代を変えています。ソーシャルメディアは政治にも影響を与えておりアラブではチュニジア革命からエジプトなどにデモが派生しソーシャルメディア革命と呼ばれる騒ぎになっています。

企業としてすぐに取り組む必要はありませんが、フェイスブックの特徴をつかみ準備しておかなければなりません。

時代はAIDMAからAISASへ

消費行動が変わり時代はAIDMAからAISASへ

消費行動が変わり時代はAIDMAからAISASへ

私たちの消費行動も変わりつつあります。

ネットショップで商品に100件もの商品レビューがついていて全ての評価が高ければ、これは店がサクラに頼んでレビューを書かせたヤラセではないかと疑われます。高い評価のレビューの中に、時たまクレームめいたものがあり、店長が丁寧に対応して書き込みしているお店であれば信用できる印象を与えます。

広告宣伝に対する消費者の心理プロセスをあらわすマーケティング用語にAIDMA(アイドマ)があります。
A アテンション(顧客の注意を引く)
I インタレスト(商品を訴求し関心をひく)
D デザイアー(欲しいという欲求を起こす)
M メモリー(記憶させる)
A アクション(商品購入)

ネット社会となり最近はAISAS(アイサス)という言葉が使われています。
A アテンション(顧客の注意を引く)
I インタレスト(商品を訴求し関心をひく)
S サーチ(検索する)
A アクション(商品購入)
S シェア(買った商品の評価をブログやソーシャルメディアで情報発信)

AISASの最後のS(シェア)の重要度が増しており、ネット上でのクチコミになります。商品レビューを参照するのではなく自分の知り合いがすすめているサービスやモノなら私も買ってみようとなります。

フェイスブックなどソーシャルメディアを使えば、知り合いがすすめるモノやサービスを簡単に知ることができます。

マス広告の時代からソーシャル広告の時代へ

マス広告の時代からソーシャル広告の時代へ

マス広告の時代からソーシャル広告の時代へ

ソーシャルメディアが社会に浸透しつつあるため広告の世界も変わりつつあり、コカコーラは「No more spray and pray」と言っています。sprayとはスプレーを吹く、つまりテレビCMのようなマス広告をあらわし、広告を出して効果を祈る神頼みはもうやめようという言葉です。

ブランド構築にはマス広告が有効ですので無くなることはありませんが、キャンペーン企画などは消費者属性がわかりやすいソーシャルメディアを活用して広報していくという意味です。同じような言葉でアサヒビールが言っているのが「Fish where the fish are」。つまり「魚がいるところで釣りをすべし」です。

アメリカの動きはやがて日本にも伝播してきますので、企業としてフェイスブック対策が必要です。しかしフェイスブックに取り組む前に会社のホームページ、ブログを作り、しっかり情報発信することが肝心です。

フェイスブックやツイッターは文字数の制限もあるので、詳しい情報は既存のホームページやブログにコンテンツを用意し、ページへリンクすることで情報発信効果を高めます。フェイスブック単独でなくホームページ、ブログなどとの相互連携が基本ですので、フェイスブック・ページだけを先に作っても効果は半減してしまいます。

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