学習・勉強法/小学生の勉強方法・学習習慣

地頭がいい子供が育つ環境の特徴! 幼児期から地頭を鍛える!

地頭が鍛えられておらず、小学校高学年で算数の応用文章題が苦手な生徒が増えています。パターン学習に慣れて考える習慣ができていないようです。幼児期をどのように過ごせば地頭を鍛えて、よく考える子どもに育つのでしょうか?

高橋 公英

執筆者:高橋 公英

学習・受験ガイド

 

地頭がいい子供とは?考えない小学生が増えている!

次の算数の問題を読んで解いて下さい。
 
【問題】
『食べると筋肉がつくという筋肉豆腐があります。食べるとその重さの半分がタンパク質に変わり、そのタンパク質の半分が筋肉として身につくことがわかりました。では100gの筋肉をつけようとしたら、この豆腐を何グラム食べたら良いでしょうか。』

「なんだ、簡単じゃないか。400gに決まっている」と思われたでしょう。ところが小学校4年生くらいの生徒で、この問題ができない生徒がたくさんいます。出来る生徒が2割で、首を傾げる生徒が8割。公立小学校に通って成績が普通または良い方の生徒にも見られます。その一方1年生でパッと答えられる生徒もいます。

筋肉豆腐の重さは不明ですが、半分の半分が100gなので、2倍の2倍して400gが元の豆腐の重さになりますね。小学生では最初に重さがわからない時点で「?」クエスチョンマークが頭の中に点灯。そこで思考停止してしまうのです。逆算するということに思いが至らない。

この問題は『絶対学力』という本を書いている糸山泰造氏が考案した「良質の算数文章題集」の中の一問です。2年生レベルとされています。ガイドの経験では普通の小学生では1学年下の問題でも難しすぎるため2学年下を与えています。
  なぜ多くの生徒がこの問題ができないのかを考えてみたのですが、低学年の学習において算数を暗記して解き続けているからではないでしょうか。

「この計算は次の手順でやりなさい」とやり方を示し、「では練習しなさい」と練習問題を与える。授業で不足するなら宿題を出す。大量に繰り返させられると、考えずに手順だけを繰り返す。すると、ちょっとひねった問題に手も足も出なくなってしまう。

この問題をすんなり解くような生徒はいわゆる地頭(ジアタマ)が良いということになります。どうやら地頭が良い生徒は育ち方に違いがあるようなのです。
 

地頭が良い子が育つ環境とは?

ジアタマ(地頭)を良くする環境とは 幼児から低学年にかけては、まだ世の中の理解の仕方が自分中心です。時間の感覚では「今」を生きていますし、地理的な感覚では家と幼稚園・学校が大部分の世界。

そんな子どもにとっては数字の世界というのは、抽象的でよくわけが分からないもの。ところがこれがお菓子や果物となれば、「何個食べられるか」「自分は多いのか少ないのか」に注意が向き、現実の問題として把握することができます。
 

地頭を鍛える経験は日常生活の中にある!

幼児の地頭を鍛える

具体物で数量感覚を磨くと算数の理解が深まる

数の操作がイメージを元にできる生徒は、具体物での数量の操作経験が豊富なのです。兄弟の人数が多いとか、そうでなくても家の手伝いをたくさんしている、家業が商売をしていて手伝うなどです。

あるいは遊びで、おはじきやビー玉。オセロやトランプ遊びで、数えて勝ち負けを決めることが多いなど、日常で数に触れている機会が多いのです。同時に周囲の大人が、日常生活の中で数量について口にすることが多いとなおさらです。
 
  • 物を数える
  • 物を量る(測る)
  • 物を分ける
  • 物を集める
  • 物を束ねる
  • お金を数える
  • お金を分ける
  • 買い物をする
  • お金を払う
  • お釣りをもらう
  • お釣りを渡す
  • 食器を配膳する
  • 調理を手伝う
数や量を取り扱うチャンスが多ければ、その性質を感覚として身につけられます。そのセンスの上に数字の世界をかぶせて具体物から抽象の世界へ橋渡しができるので、冒頭の筋肉豆腐問題が解けるのです。

現代はともすると幼児のうちから抽象化された問題を与えるケースも増えています。こうした学習を経て、例えば小学校入学時には3年生の問題ができるという生徒は、隠れた数のある問題ができないことが多いのです。

それは具体物による数量のセンスを磨く機会が、ペーパーの学習によってかえって少なくなってしまうことがあるからです。

幼児の遊びにはこうした要素もたくさん含まれているので、先取り学習をするよりも、たっぷりと具体物で遊ぶ時間を持つことが大切です。

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