例年にない好スタートが天才を微妙に狂わせた
天才の大記録がついに途絶えた。その理由と来季の展望は…
マリナーズ・イチロー外野手(37)は9月28日(日本時間29日)、今季最終のアスレチックス戦に「1番・右翼」で出場し、3打数無安打。結局、今季は184安打で全日程を終了した。メジャーデビューの2001年から続いていたシーズン200安打は、10年連続でストップ。前人未踏の大記録は、ついに途絶えたが、それでも、イチローは冗舌に笑顔で素直な心境を口にした。
「なぜか晴れやかな気持ちですね。200安打に一応、区切りがついた。ようやく続けることに追われることがなくなったので、ちょっとホッとしていますね。(200安打が途切れて)寂しさが来るかなと思ったけど、そんな感じじゃない。ぎりぎりのところでやってきた自負があるからでしょう。余裕を持ってできたのは実質3回ぐらい。今年で止まってもいい、でも今年はやりたい、という感覚でやってきた」
昨季に史上初の10年連続シーズン200安打を成し遂げ、達成感を感じた。数字を強く意識することなく、自然体で臨んだ今季だったが、4月にリーグ最多で自己最多タイの39安打(打率.328)をマーク。例年にない好スタートが天才を微妙に狂わせた。
「去年で10年になって、今年はいろいろやったが、4月に(好)結果が出ることへの判断がすごく難しかった。それが誤った判断であったとは言える。(反動が)5、6月に出てますからね。結果が出てかえって難しくなることがあるということ」
例年なら調子を上げる5月が22安打、6月は31安打止まり。4月の好調で、逆にシーズンを乗り切るための打撃調整に必要な課題がぼやけてしまったのだ。
また、こういう分析もある。今季のイチローは右足の踏み込みが安定せず、弱い打球が多かった。その傾向を見逃さず、アスレチックスなどは、もともと前で守っていた二塁手と遊撃手をさらに2歩ほど前に出し、内野安打を減少させた。昨季の安打の約27%を占めた内野安打が今季は約21%にとどまったことは、相手チームの作戦勝ちでもあった。