トゥールーズ・ロートレック展に合わせた三國シェフのガストロノミー
そしてもうひとつ。芸術と美食を求める丸の内。「トゥールーズ・ロートレック展」開催期間中、mikuni MARUNOUCHIではロートレックが書き残したレシピをもとに彼の愛した選りすぐりの料理を再現。画家として生涯を全うした彼の資本となる好物をディナーコースで味わうことができる。6皿からなるメニューはロートレックの生きた時代背景を参考に食材、調理法を吟味。一皿一皿に彼の原風景が描かれている。江戸東京野菜をはじめ、日本各地の食材を使い「美食家 ロートレックへのオマージュ」と称す。
「ロートレックがこよなく愛したオマール海老のロティ、アメリケーヌ仕立て 東京男爵のピュレと黄ミニトマトとその皮のフリット」
オマールの沸き立つ香りが食欲をそそる
オマール海老はロートレックが大好きだった食材のひとつで自らも調理をしていたようだ。前菜として斬新にロティされたオマール海老は甲殻の赤が鮮明に際立ちを見せる。東京男爵のピュレ、プチトマトとオマール海老の濃彩のコントラスト。黄色と赤色はロートレックの絵によく登場する色であり、まさしく彼の栄光を讃える美色と言っていいだろう。
「丹波鹿のポワレ ウンブリア産秋トリュフとそのヌイユ合え ほろ苦いショコラソース 赤いベリー飾り ジビエ好きなムッシュのオマージュ」
鹿の持つクセのない赤身肉はとてもヘルシー
ジビエ(獣肉)というと秋の音色が聞こえてくる。ロートレックの父は狩猟が趣味で食卓にジビエが登場することがしばしばあった。幼いころの思い出の味なのだろう。レシピの再現に選ばれたジビエは自然豊かな丹波の山野を駆け巡り育った丹波鹿。肉質にはとてもヘルシー感を感じる。甘くないショコラを使用したソースはコクと酸味を醸し、鹿肉の野生味と柔和。適度な固さが味わいの深みを生み出している。フランス料理の基本と言われるソースについてロートレックは資料も残しているのだが、そんな彼の美食に感動を与えられる一皿ではないだろうか。
前菜の美的感覚も楽しみたい
そのほか、各皿の中にもロートレックの愛した食の歴史が刻まれている。絵画の世界から美食を。フランスの画家が愛した料理を21世紀に受け継ぎ、食への喜びと関心を後世に残してゆく。丸の内へ来た際は、シェフたちのアレンジしたロートレックの食卓へ立ち寄り、芸術の秋と食欲の秋を贅沢に満喫してはいかがだろうか。
シェフズランチが楽しめる丸ビル「丸の内カフェease」
ロートレックにちなんだディナーが楽しめるミクニ マルノウチ
三菱一号館美術館(トゥールーズ・ロートレック展)