DTM・デジタルレコーディング/デジタルレコーディング基礎知識

どうなる?64bit時代のReWire問題

アプリケーション間でオーディオやMIDIの接続を行い、同期ができる仕組み、ReWire。使っている人も多いと思いますが、64bit化が進む中、いま大きな岐路に来ているように思います。現状と今後について考えてみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

 ReWireって何?

ReWire

ソフトウェア間をオーディオ・MIDIで接続するオープンな規格、ReWire

今回の記事ではReWire(リワイヤー)について考えていきますが、そもそもReWireとは何なのでしょうか? ご存知ない方のために簡単に紹介しておきましょう。これはスウェーデンのソフト開発メーカー、Propellerhead SoftwareがドイツのSteinbergと協議して作ったDTMの規格で、ソフトウェア間でオーディオやMIDIの接続をする、というものです。ハードウェア間であれば、オーディオケーブルやMIDIケーブルを使って接続するのが当然であり、そうしたシチュエーションは常にあります。

でもアプリケーション間だって、接続したいと思うことはしばしばで、そのために物理的にケーブルを使うというのは、ナンセンスに思えます。そこでそれをソフトウェア的に接続しようというのがReWireという規格なのです。

たとえばDAWとスタンドアロンのソフトシンセをReWire接続し、DAWからMIDI信号をソフトシンセへ送ります。反対にソフトシンセからDAWへはオーディオを送ると、まるで外部のハードシンセをコントロールするかのようにアプリケーション上のソフトシンセを扱えるのです。またシーケンス機能付のソフトシンセであった場合、DAWとソフトシンセを同期させると、それぞれのシーケンスデータやオーディオトラックを同時に鳴らして、ミックスするといったことも可能になるのです。

マスターとスレーブ

Reason

この画面のReasonのほか、VOCALOID2などがReWireクライアントとして使える

そのReWire接続は1:1接続に限られ、片方がマスター、もう片方がスレーブとなります。通常はDAWがマスター、ソフトシンセがスレーブとなります。現在Windows用もMac用もほとんどのDAWがReWireに対応しており、基本的にはどれもマスターとして機能します。ただ、Ableton liveのようにマスターだけでなく、スレーブとして機能するものもあるので、そうなると応用範囲はさらに大きくなってきます。

一方で「プラグイン全盛のこの時代に、そもそもスタンドアロンのソフトシンセなんてあるの?」という人もいるでしょう。その代表はPropellerhead自らが開発・販売するReasonなのですが、それよりも今より多く使われているのがVOCALOID 2です。そう初音ミクをはじめとするVOCALOID 2はReWireのスレーブとして機能するようになっているため、DAWと同期させて歌わせることができるのです。

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