現代美術、五感を使って楽しもう!
こちらは、パトリック・ブランの《緑の橋》。ガラスの回廊を覆ういきいきとした約100種類にも及ぶ植物には、金沢近郊で採取されたものも植わっているそう。わずか厚さ14センチの壁に強くしっかりと息づいています。ちなみに、こちらの作品の向かいは休憩コーナー。マイケル・リンによる加賀友禅をモチーフにした美しい壁面《市民ギャラリー 2004.10.9 - 2005.3.21》があります。
休憩コーナーに置かれたロッキングチェアーに座り、マイケル・リンの描いた鮮やかな世界を背中に生き生きとした緑をゆっくりと観賞できる、とても落ち着いた空間です。また、この空間からはヤン・ファーブル作の《雲を測る男》も見ることができます。
天気がよい日は、建物の周りをぐるっと回ってみましょう。フローリアン・クラールの《アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3》は、敷地内に置かれた12個のラッパ状の筒からなる作品です。
ラッパに向かって声を発すると、その声は地中の管を通り、別の場所にあるラッパから出てくるという仕組み。ラッパの前で待っていれば、見知らぬ誰かからの声が届いてくるかもしれません。音の持つ可能性や、面白さ、不思議さを、ワクワクしながら感じることができる作品です。
こちらは、オラファー・エリアソン《カラー・アクティヴィティ・ハウス》。2010年に設置された新しい作品です。
色の三原色であるシアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)の3色の半円形のガラス板で構成されています。うずまきのような作品は、見る場所や太陽の光によって無限に色が変わります。白い美術館の建物とのコントラストがとても鮮やかです。
天気のよい日は、作品の中を駆け回る子どもたちもたくさん。彼らのからだ全体で作品を体験する姿は、大人たちに「眺める」以外にも美術は楽しめるんだ、ということを気づかせてくれます。夜には、中央のライトが灯り、さらに違った趣きで作品を楽しめます。
このほか、金沢21世紀美術館には、ヤン・ファーブルや、直島の地中美術館や熊本県立現代美術館にもあるジェームズ・タレルなどの作品が多数。ただ「眺める」だけでなく、五感で体験できる作品が多いのが交流ゾーンの特長。ご家族全員でたっぷり楽しめます。