大震災を機に、首都圏マンションの売れ行きは鈍化していくのか(?)
3月11日の東日本大震災から100日以上が経過し、被災地は復旧中心の第1ステージから本格復興への第2ステージへと移行。「マイナス」を「ゼロ」に戻す作業から、「ゼロ」を「プラス」にする作業へと、状況は変わりつつあります。
6月21日に被災地を含む東北地方全域が梅雨入りしたことで、今度はカビなどによる衛生面の心配や、冠水・土砂崩れといった新たな不安が危惧されるようになりましたが、震災直後40万人以上だった避難所生活の人々は、6月22日現在、約11万2400人(内閣府)まで減少し、どうにか最悪期は脱した印象です。
ただ、放射能汚染問題の解決への道筋はいまだ不透明で、政局の混乱により二次補正予算の成立も一筋縄ではいきそうにありません。まさに“一進一退”といったところです。
そうした中、首都圏に目を移すと、首都圏は首都圏でここ数日の急激な気温上昇に刺激されてか、より一層、節電への意識が高まっています。「熱中症になるので、過度にエアコンの使用を制限しないように!」といった注意喚起がなされるほど、多くの人の脳裏には「電力不足」という言葉が焼き付けられています。これまでにない、ある種、独特な心理(連帯感)が震災を契機に形成されています。
こうした心理の変化は当然、マンション市場にも影響を与えており、不幸にして“負の作用”を及ぼしています。
「旧耐震の高経年マンションはもう買えない」「湾岸のマンションは暴落する」と、消費者の間には悲観志向が台頭するようになりました。見るに耐えない惨状を見せつけられ、すっかり購入意欲は減退してしまった様子です。無理もありません。マンション市場のセンチメントは完全に萎縮状態へと突入してしまいました。
「液状化」のレッテルを貼られた浦安の新築マンションも即日完売
しかし、その一方で、こうした否定的な心理とは裏腹に、1都3県では「新築マンション・即日完売」のニュースが各方面から流れてきています。たとえば、野村不動産がゴールデンウィーク期間中に分譲した「プラウド大井ゼームス坂」(総戸数164戸)、「プラウド本八幡」(同61戸)、「プラウド八王子」(同48戸)いずれも即日完売とのことです。
2012年3月期の決算予想を見てみると、三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産4社の連結経常利益が前期を下回る見通しなのに対し、野村不動産ホールディングスは営業利益・経常利益ともに増益を見込んでいます。強気な見通しを示しているわけでますが、その根底には「完売できる」という確固たる自信があるのでしょう。
また、新日本建設が震災後に分譲したマンション「エクセレントアクイラ浦安ステーションアリーナ」(総戸数37戸)も即日完売しています。「浦安」ということで液状化を心配し、消費者は避ける傾向にあるのかと思われました。しかし、その心配は無用。いい意味で予想を裏切られた格好です。この物件は定期借地権マンションのため、価格の割安感も魅力の1つでした。立地は東西線「浦安」駅徒歩2分。新浦安エリアとは異なり液状化の被害もなかったことで、安心感につながりました。
一体、本当のところ首都圏の新築マンション市場はどうなっているのでしょうか?——
次ページで、さらに核心に踏み込むことにします。