FIAT(フィアット)/フィアットの試乗レビュー・車種情報

“イタリア人の日常を歓びに変える”フィアット500

往年の名車のコンセプトを継承、その雰囲気を現代に再現したレトロモダンカー。最新パワートレインを用いるなど、サイズやパッケージはまるで違うものの、“イタリア人の日常を歓びに変える”というコンセプトは不偏。そのコンセプトと愛くるしいスタイルは日本人の心にも響く。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

日本人の心にも響く、愛くるしいレトロモダンカー

フィアット500

2008年に登場した2世代目。1.2リッターエンジンを搭載したポップ(195万円)、スポーツ(208万円)、ラウンジ(225万円)、1.4リッターのラウンジ(250万円)、最新のツインエアエンジンを搭載したポップ(215万円)とラウンジ(245万円)を用意する。ボディサイズは全長3545mm×全幅1625mm×全高1515mm

フィアット500C

ピラーはそのままにソフトトップが開くスライディングルーフ式を採用したオープンモデルが500C。1.2ポップ(239万円)と1.4ラウンジ(289万円)に加え、ツインエアエンジン搭載モデル(ツインエア ラウンジ 279万円)も用意された

チンクェチェント(500)が一世を風靡したのは、今から半世紀以上も前のこと。当時の名大衆車はことごとくマンマキシマム/ミニマムだったが、チンクもその例に漏れず、具のしっかり詰った肉まんのようなクルマだった。その誕生からちょうど50年後。あらたなチンク伝説が始まる。それが、蘇った500(ファイブハンドレッド)だ。

いわゆる、スタイルを中心として雰囲気を現代に再現した、レトロモダンカー。VWビートルやミニ、フォードマスタングなどと、考え方は同じである。新しい500のベースはパンダだ。

よって、昔のチンクェチェントとは、サイズもパッケージもまるで違う。イタリア人の日常を歓びに変える、というコンセプトだけが変わらない。そのことと愛くるしい(という表現以外思いつかない)が、日本人の心にも響くのだろう。昔を知らなくてもいい、という意味では、ビートルやミニとよく似ている。

フィアット500

吸気バルブで直接空気量を調節する技術(マルチエアシステム)などが取り入れられた875ccの直列2気筒ターボエンジン、ツインエア。アイドリングストップ機構も備え10・15モードは21.8km/l(ポップ)とされた

最新パワートレインとして、2気筒エンジン“ツインエア”も加わった。

シリンダーが2つしかないけれども、そこに潜む最新技術はかなりのもの。シーンと静まりかえった真空パックのような国産車に慣れた人にはきっとツライだろう。けれども、その心地よい振動やノイズはいかにも機械を操っているという感覚を与えてくれるし、大げさかも知れないが、生きているんだという気分にもなってくる。まるで、公園の遊具のようなクルマである。

ボディタイプは2種類。より古典に寄り添うのであれば、キャンバストップのCを。3ペダルのMTも楽しい。

アバルト500

独立したブランドとして扱われるアバルト。500と500Cをベースとしたモデルももちろんラインナップされている

この500をベースにしたスポーティモデル、500アバルトは、別個の独立したブランドとして商品展開されている。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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