6月「アトランティス」飛行で30年近くの歴史に幕
スペースシャトルもついに引退の日がきた。
出典:NASA
アメリカNASAのスペースシャトルは、ここ20~30年のアメリカ、そして世界の宇宙開発をリードしてきました。以前は1回使い捨て型のロケットを使っていたのですが、再利用して何度も飛行できる新しいタイプのロケットとして、人類が宇宙に飛び立つために活用されています。
しかし、そのスペースシャトルともお別れの時が迫っています。5月16日に行われる予定の「エンデバー」打ち上げ、そして6月予定の「アトランティス」打ち上げをもって、30年近くに及んだスペースシャトルの宇宙飛行プロジェクトはすべて終了し、スペースシャトルは引退する予定になっています。これまで日本人も毛利衛(もうりまもる)さん、向井千秋さんなど、すでにおなじみの宇宙飛行士の方々が、スペースシャトルで宇宙に飛び立っていきました。
5月「エンデバー」と6月「アトランティス」の打ち上げは、ISS(国際宇宙ステーション)に、物資などを補給することが目的です。
コスト高のために引退を決定
なぜアメリカはスペースシャトルを引退させることにしたのでしょうか? 大きな理由の一つとして、維持コストの莫大さにあります。1回スペースシャトルを打ち上げ帰ってきてからまた次に打ち上げるまでの費用は、約5億ドル(約400億円)もかかると言われています。これはスペースシャトルプロジェクトで最初に予定されていた金額の10倍以上で、宇宙開発プロジェクトの財政を圧迫しています。加えてリーマンショック後の不況と、巨額の財政赤字。これらの理由で、アメリカはスペースシャトルをこれ以上飛ばす余裕がなくなってしまいました。
大事故が2回も起こっている点も、引退を決定した要因です。1986年1月「チャレンジャー」と2003年2月「コロンビア」の事故では、機体が大爆発して乗組員全員が死亡しました。これらの悲惨な事故も、アメリカからスペースシャトルをこれ以上使い続ける意志を奪ってしまいました。