東北地方太平洋沖地震での労務管理

更新日:2011年04月18日

東北・太平洋沖地震での休業手当の扱い

東北・太平洋沖地震をうけて、厚生労働省は地震に伴う休業に関する取扱い、派遣労働者の雇用管理、解雇、採用内定者への対応、1年単位の変形労働時間制についてなどをまとめました。今回は、地震や計画停電による休業手当の概要について解説します。


計画停電中の休業手当

計画停電中は、企業活動が停滞します

計画停電中は、企業活動が停滞します

今回の大地震で計画停電が実施されています。停電の時間中を休業とする場合、労働基準法第26条の休業手当を支払う必要はあるのでしょうか。

(答え)
休業手当の支払義務はありません。

電力会社で実施されている地域ごとの計画停電に関しては、事業場に電力が供給されないことを理由として、計画停電の時間帯(電力が供給されない時間帯)を休業とする場合は、原則として、労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しません。従って、休業手当を支払わなくても労働基準法違反にならないと考えられます。

東京電力管内で計画停電が行われています。企業によっては、生産ラインがストップしてしまい企業活動が停滞しているところも出てきています。この場合は、使用者側の責任なしということで、一定額以上の給与補償の「義務はない」と解釈できるとしています。

計画停電時間を含めた丸1日休業した場合の休業手当

今回の大地震で計画停電が実施される場合、計画停電の時間帯以外の時間帯も含めて1日全部を休業とする場合には、労働基準法第26条の休業手当の支払い義務があるのでしょうか。

(答え)
休業手当の支払義務があります。

計画停電の時間帯の休業については、前問の答えにより、原則として、労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業ではないと考えられます。一方計画停電の時間帯以外の時間帯については、原則として労働基準法第26条に定める使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すると考えられます。従って、休業手当の支払い義務があります。

ただし、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められる場合には、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて、原則として労働基準法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないと考えられます。従って休業手当を支払わなくても労働基準法違反とはならないと考えられることもあります。

計画停電以外の時間を休業とする場合は、原則使用者の「責任あり」としています。従って一定額以上の給与補償の義務があります。ただし、企業の経営上不適当と認められる場合は、使用者の「責任なし」とも解釈できるとしています。これも、個別に管轄労働基準監督署へのご相談をお勧めします。


<関連記事>
天災事変に対する労務リスクマネジメント
東北地方太平洋沖地震による被災従業員への補償


<関連資料>
東北地方太平洋沖地震による計画停電実施時の休業手当の取扱い
平成23年東北地方太平洋沖地震に伴う労働基準法等に関するQ&A(厚生労働省)


やむを得ず休業をしなければならない企業が活用できる助成金(雇用調整助成金)をご紹介します。申請可能かどうか条件を確認してみましょう。
東日本大震災に伴う雇用調整助成金の活用Q&A(厚生労働省)
1 2
  • 印刷する
  • ブックマークする
  • 携帯に送る
  • ブログに書く

あわせて読みたい

この記事の担当ガイド

写真

小岩 和男

人事労務コンサルタント・特定社会保険労務士。企業人時代を含め通算24年の人事コンサルを経験。一部上場…

続きを読む

ガイドからのお知らせ

ビジネス・教育関連コミュニティ

北欧好きが、愛用の北欧モノを見せ合うコミュニティ

メルマガ登録

【ビジネスメルマガ】転職・起業・ビジネス実務・スキルアップに関連する、厳選お役立ち情報をお届けします。

ショッピングカタログ

All About ウェブマガジン

女性向け

雨が楽しくなる!レイングッズ15

男性向け

マネしたくなるアイデア住宅

All About モバイル

QRコード

All Aboutがケータイで読める!

オススメ記事をメールでチェック

知識・経験を生かして、記事を書いてみませんか?