3月11日に発生した東日本大震災による混乱が依然として続くなか、2011年(平成23年)の公示地価が、
国土交通省より3月17日に発表されました。これはあくまでも今年1月1日時点で評価された価格であり、震災が今後の土地取引にどのような影響を与えるのかはまったく分かりません。少なくとも首都圏を含む東日本ではこれからしばらくの間、地価の下落圧力として作用する面が多いでしょう。それが短期で終わるのか、それとも長期に及ぶのかは予断を許さないところです。
それでは、2011年の公示地価の様子をもう少し細かくみていきましょう。
【公示地価とは?】
公示地価とは、地価公示法(昭和44年法律第49号)に基づき、国土交通省による土地鑑定委員会が毎年1回公示する標準地の価格(1月1日時点)で、公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、一般の土地取引価格に対する指標となることを目的としています。今年の公示対象の市区町村は1,396(東京23区および782市548町43村)、対象地点の数は前年から1,804減って、ちょうど26,000(うち433地点が選定替え)となっています。
公示地価ではその土地本来の価値を評価するため、現存する建物などの形態に関わらず、対象土地の効用が最高度に発揮できる建物などを想定したうえでの評価が行なわれることになっています。ちなみに、今年の評価を行なった不動産鑑定士は2,716人です。
(国土交通省公表資料より) |
公示地価の下落は3年連続
08年夏頃までの地価回復局面は、いわゆるリーマン・ショックで一転。世界的な金融危機を迎えてから、日本の地価はずるずると下落を続けています。しかし、今年の公示地価では前年に比べて、上昇地点、横ばい地点とも大幅な増加がみられ、全面的な下落傾向からは脱却しつつあるようです。住宅地および商業地の公示地価は、三大都市圏、地方圏ともそろって下落率が縮小しました。
住宅地の全国平均は
2.7%の下落(前年は
4.2%の下落)、商業地の全国平均は
3.8%の下落(前年は
6.1%の下落)となっています。
公示地価の変動率推移 (全国平均:1971年~2011年)
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2011年公示地価の変動率 ( )内は2010年
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住 宅 地 |
商 業 地 |
| 全 国 平 均 |
△2.7% (△4.2%) |
△3.8% (△6.1%) |
| 三 大 都 市 圏 |
△1.8% (△4.5%) |
△2.5% (△7.1%) |
| 東 京 圏 |
△1.7% (△4.9%) |
△2.5% (△7.3%) |
| 大 阪 圏 |
△2.4% (△4.8%) |
△3.6% (△7.4%) |
| 名 古 屋 圏 |
△0.6% (△2.5%) |
△1.2% (△6.1%) |
| 地 方 圏 |
△3.6% (△3.8%) |
△4.8% (△5.3%) |
今年の公示地価で上昇したのは193地点(住宅地152地点、商業地35地点、その他用途6地点)で、1970年の調査開始以来で過去最少だった前年の7地点からは大幅に増えています。また、横ばい(変動率
0.0%)だったところも、前年の101地点から今年は1,082地点へと大きく改善しました。しかし、全体のおよそ95%の地点は依然として下落しており、まだ「地価が下げ止まった」というには遠い状況でしょう。
都道府県別では、3年連続ですべてが下落
「都道府県別の平均がすべて下落」となったのも3年連続です。三大都市圏を中心に多くの都道府県では前年よりも下落率が縮小しているものの、住宅地では青森、岩手、秋田、栃木、群馬、山梨、和歌山、鳥取、島根、徳島、高知、佐賀、宮崎、鹿児島の14県で下落率の拡大がみられました。商業地でも同様に栃木、群馬、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、香川、高知、佐賀、宮崎、鹿児島の13県で下落率が拡大しています。
住宅地で最も下落率が大きかったのは高知県のマイナス
7.5%で、逆に最も下落率が小さかったのは愛知県のマイナス
0.5%でした。また、商業地で最も下落率が大きかったのは高知県のマイナス
8.7%で、最も下落率が小さかったのは愛知県のマイナス
1.1%でした。住宅地、商業地とも愛知県と高知県が対照的な結果となっています。
全体的にみれば三大都市圏で地価の下げ止まり、改善傾向がみられるのに対して、地方圏では依然として厳しい状況が続いているようです。
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