スイス/スイスの通貨・物価・予算・両替

スイスの物価

「高い」と言われるスイスの物価。実際にどの程度高いのか?なるべく経済的に旅行する方法は?といった情報を、具体例を交えながら解説。宿泊費、交通費、食費、その他の観光費など場面別に見ていきます。

和田 憲明

執筆者:和田 憲明

スイスガイド

スイスの物価は本当に高い?

スイスフラン

1スイスフランは約90円(2011年3月現在)

「スイスは物価が高い」とよく言われます。数少ないスイスのマイナスイメージとして、すっかり定着した感があります。

しかし単に「高い」という漠然としたイメージではなく、実際にどの程度高いのか、そしてなるべく安く旅行する方法はあるのか、といった情報も欲しいところ。

ここではスイスの宿泊費、交通費、食費、その他の観光費に大きく分け、時にはガイドの印象も交えながら見ていきます。

 

スイスの物価は、なぜ高く感じる?

スイスの酪農イメージ

酪農に携わる人々は、観光立国スイスの縁の下の力持ち

日本人旅行者にとって、なぜスイスの物価が高いと感じるのでしょうか? 

まずスイス国内の人件費。スイス人労働者は、単位労働時間あたりの付加価値において世界で最も高い生産性を誇っています。それに伴い、人件費も高くなります。

例えば小学校の教員の初任給は、日本円で約30万円。最低賃金は時給にして2000円近くになります。それに応じて物価も高くなるのは、やむを得ない面があります。

次に農業政策。スイスの食品の価格が高い理由として、農業を保護すると同時に、生産方法が厳しく規定されています。価格を下げることよりも、安全性が優先。スイスは有機栽培のパイオニアとも呼ばれ、厳しい基準をクリアした有機栽培の農作物にはBIOマークが与えられています。

スイスの主な農業は酪農ですが、酪農に携わるスイスの人々は、牛の世話をしながら毎日のように牧草の草を刈り、石を取り除きます。もしスイスから農業がなくなれば、あの美しいアルプスも間違いなく荒れ果ててしまうことでしょう。

物が高いのは確かに旅行者にとってありがたくはないのですが、それが回りまわってスイスの美しい景色が育まれていると考えることもできます。

 
 

スイス周辺国との比較

ドイツ、フランス、イタリアなどスイスの周辺国に関しては、2002年のユーロの導入に伴い物価が上がってきたため、スイスとの物価の差はだんだん小さくなる傾向になっています。

これはあくまでガイドの最近の経験ですが、ミラノやベニスでのレストランでの食事代金は、期待したほど安くはなく、「スイスとさほど変わらないかな?」と感じました。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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