IPアドレス枯渇問題への対策
個人でもパソコンと携帯電話の2つのIPアドレスが必要に
商用プロバイダーが誕生し、個人でもインターネットに接続できるようになりました。Windows95が登場し、インターネット接続ユーザーが爆発的に増えます。携帯電話にiモードができ、これで個人でもパソコンと携帯電話の2つのIPアドレスが必要になります。そこへネット家電が登場。ますますIPアドレスが必要になり枯渇問題が議論されるようになります。
IPアドレスの割り当てが改善され24台、48台、128台のように2の階乗ごとに必要なIPアドレスを割り当てるようにしました。また大盤振る舞いしていたIPアドレスの整理を行い、使っていないIPアドレスは回収。
技術的進化が進み、社内ではプライベートIPアドレス(社内でしか使えないIPアドレス)を使い、インターネットに接続する時だけサーバーでグローバルIPアドレス(インターネット接続で使うIPアドレス)に自動変換する仕組みが導入され、IPアドレスを有効利用できるようにしました。枯渇するまでの時間稼ぎです。
IPアドレスそのものの見直しが行われ32ビットを128ビットとしました。これがIPv6で、v6とはバージョン6という意味です。今までの32ビット版はIPv4と呼ばれています。IPv6は128ビットなので作ることができる住所(IPアドレス)は2の128階乗(約340澗)。澗とは10の36乗、1兆の1兆倍の1兆倍で、これでIPアドレスが枯渇することはないでしょう。
日本のIPアドレスが枯渇するのは2011年夏頃
日本のIPアドレスが枯渇するのは2011年夏頃
IPアドレスを管理しているIANAという組織が、2011年2月3日に世界の各地域組織に最後の在庫を割り振り、IANAの在庫が無くなったと発表。このニュースが世界を駆け巡り、新聞やテレビで「ネット上の住所が枯渇」と報道されました。
アジアの地域組織はAPNICです。IANAから最後の在庫(約1,678万アドレス)が割り振られました。
日本はAPNICの傘下ですのでAPNICの在庫がなくなると日本でもIPアドレスの新規割当ができなくなります。枯渇は半年ぐらい先と言われていますので2011年夏頃になりそうです。
IPアドレスの枯渇でどんな問題が出るか
IPv6移行には地デジ化と同じで機器や通信網の置き換えが必要
既にインターネット接続している利用者にとってはあまり影響はありません。
新しいIPアドレスであるIPv6へ移行するためには、全世界の全ての機器や通信網を置き換える必要性があります。アナログ放送終了に伴う地デジ化と同じです。地デジ化は日本国内の問題ですが、IPv6の場合は全世界ですので切替には長い時間と大きな費用がかかります。
※IPv6移行は地デジ化と同じ総務省が担当しています。
既にIPv4とIPv6の併用が始まっていて、プロバイダーではIPv4からIPv6への移行が行われています。IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースが作られ、プロバイダーや企業システムがIPv6に対応できているか検証できる環境を提供しています。
企業が完全にIPv6に対応しようと思えばルータの取替えや新しいソフトウェアの導入など追加投資が必要となります。新たにネットワーク機器を導入する時はIPv6対応の機器を導入し、徐々に置き換えていけばよいでしょう。ただしWindows VistaからIPv6のサポートが始まっています。これからIPv6でIPアドレスの割当をうけたユーザーが出現してきますので、企業のWebサーバーはIPv6対応しなければなりません。
枯渇問題はIPアドレスの新規割当で問題となります。新しい営業所を作って、本社とインターネットで結びたい。創業してインターネットを使ったビジネスを始めたい時にスムーズに割当がうけられない可能性があります。
北京では渋滞や公害対策のため新車購入規制が始まっており、車を買うには10倍以上の競争率を突破しなければなりません。そのうち日本でも抽選に当たらないとスマートフォンを買えない時代になるかもしれません。