年金

自営業者の年金と老後資金準備

会社員に比べて老後の公的保障が少ないと感じる人の多い自営業者やフリーランス。会社員の老後保障と比較しながら、公的な保障を補い、自営業者フリーランスにメリットのある準備方法をご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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いつか必要な時期がくる老後資金。自営業者やフリーランスにメリットのある老後資金準備のご案内です

会社員に比べると、自営業者やフリーランスは老後の社会保障が不十分だと考えている人も少なくないでしょう。日本の場合は、定年で辞めていく会社員には、一般的に、退職金や企業年金などが支給され、さらに会社員の老齢年金は国民年金と厚生年金の2階建てになるので、会社員の方が老後の年金制度が充実していると考えられています。今回は、自営業者やフリーランスの老後の年金制度が会社員とどの程度異なるのか、不足分を補うためにはどんな方法があるのか、自営業者やフリーランスに必要な老後資金準備をご案内していきます。

<INDEX>
会社員の老後の年金
自営業者・フリーランスの老後の年金
自営業者・フリーランスの老齢年金の上乗せ
自営業者・フリーランスの退職金
 

会社員の老後の年金

はじめに、自営業者やフリーランスと比べて充実しているといわれる会社員の老後の年金制度をみていきましょう。

会社員は現役時代厚生年金に加入しているので、老齢年金は国民年金から支給される老齢基礎年金と厚生年金から支給される老齢厚生年金の2階建てになります。さらに、公的年金の上乗せとして企業年金が導入されている企業に勤務していた人には、3階部分として企業年金が支給されます。なお、年金形式ではなく、退職時に一時金が支給されることもあるでしょう。一般的な会社員の老後の年金制度をまとめると、以下のように表すことができるでしょう。
会社員の年金

 

また、会社員の老後の年金にはそれぞれ以下のようなメリットがあります。

【厚生年金】
・保険料は会社と折半負担
・支払った保険料の全額が社会保険料控除になる
・老齢厚生年金は雑所得として課税されるが、公的年金等控除を差し引くことができる
・年金は終身で支給される
【企業年金】
・掛金は会社と折半負担または全額会社負担
・加入者本人が掛金を負担した場合は全額社会保険料控除又は生命保険料控除になる
・給付を一時金で受給する場合は勤務年数に応じた退職所得控除を差し引くことができる
・給付を年金で受給する場合は公的年金等控除を差し引くことができる
【退職一時金】
・勤務年数に応じた退職所得控除を差し引くことができる

このように、会社員の年金制度のメリットは、保険料や掛金の負担を企業も行う点と加入者が負担する保険料・掛金や給付に対して税制上のメリットがある点を挙げることができます。
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