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ジャーナリストの猪熊弘子さんが子育て・育児の話題のキーワードをいち早くお届けします。

vol.4 ワクチン接種の公費負担とは?

公費負担の現状は?

子ども

インフルエンザが猛威を振るう季節。予防にはワクチン接種が有効と言いますが……

子どもはさまざまな感染症にかかりますよね。感染症の対策として有効とされている最も大きなものが「ワクチン接種」です。冬は感染症が大いに流行する時期。ワクチン接種についても気になるところです。

ワクチン接種については、自治体がその費用を負担する「公費負担」のものと、「自己負担」のものとがあります。実はこれは全国統一のものではありません。積んでいる自治体によって格差があるのです。

2010年7月に厚生労働省が全国の市区町村を対象にして行った、「予防接種の公費助成に関するアンケート調査結果」によると、回答のあった全国の1744市区町村(回収率99.4%)のうち、「1類定期接種」といって接種することについて自治体に努力義務が課せられているもの(ジフテリア、百日咳、麻疹、風疹、日本脳炎、結核など)では、1737市区町村(99.6%)で全額公費負担されていることがわかりました。とはいえ、一部自己負担となっているところも7市区町村ありました。

また、「2類定期接種」といって、特に自治体に努力義務が課せられていないもの(季節性インフルエンザ)については、全額公費負担を行っているのはわずか68市区町村。一部公費負担で行っているのが大多数の1667市区町村あることがわかりました。
 

法定接種以外のワクチンの公費負担は?

また、「1類」「2類」の法定接種以外のワクチンの公費助成については、Hib(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)ワクチンが、204市区町村(11.7%)で、また、肺炎球菌ワクチンは、小児用についてはわずか11市区町村(0.6%)、成人用については327市区町村(18.8%)で実施されていましたが、まだまだ少数派。ほかに、おたふくかぜワクチンの公費助成をしているのは61市区町村(3.5%)に過ぎないことがわかりました。ガイドも、双子の息子たちのおたふくかぜのワクチンを打ちましたが、2人分でなんと2万円超え……。おたふくかぜは、発病後に難聴を発症することも多く、あなどれません。公費負担をしてくれるところが増えれば、難聴になる子も減らせるのに、と思うと、非常に複雑な気持ちになります。

また、ママにとっても気になるのが、子宮頸ガン予防のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン。公費助成を実施しているのは114市区町村(6.5%)と少ない上、すでに出産した女性にとって効果があるのかどうかという意見もあるため、公費助成を受けての接種の年齢も限られている自治体が多いようです。
 

地方分権が招くワクチン格差

国が取り組むべき病気の対策が、これほど住んでいる自治体によって格差があるというのは驚きです。子どもたちの命が、住んでいる自治体によって左右されるということがあっていいはずがありません。今後、「地方分権」が進み、財源の地方委譲が進められるに伴い、こういったワクチン接種費用の公的助成についてもさらに格差が生まれる可能性があります。

日本は、まだ麻疹を撲滅することもできず、世界の先進国の中では感染症についての取り組みが遅れていると言われています。ワクチン接種については、極力公費負担できるよう、国にはしっかりと取り組んでほしいものです。



ジャーナリスト・翻訳家。東京都市大学人間科学部客員准教授。子ども・家族・女性・保育・教育などをテーマに執筆、翻訳、編集をするほか、テレビ・ラジオのコメンテーターや講演も行なっている。4児の母。

編集部から

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