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沖縄、世界遺産をめぐる旅(後編)

沖縄本島にある世界遺産をめぐる旅後編は、4つのグスク遺跡を見てわまるコースを紹介します。グスクとは古琉球時代の城のことで、軍事拠点としての役割も果たしていたと言われています。どれもなかなかに見応えがあるので、遺跡好きな方には特にオススメ。機会を見つけてぜひ訪れて欲しいポイントです。

小林 繭

執筆者:小林 繭

沖縄ガイド

沖縄、世界遺産を廻る旅(後編)

今帰仁城

9つの世界遺産のうち4つを占める沖縄のグスクはなかなか興味深く、それぞれ見比べてみると面白い

沖縄にある9つの世界遺産を、レンタカーを使って2日間で見てみるコース。前編では首里城跡をはじめとした那覇周辺に点在する世界遺産と、南部にある斎場御嶽をまわるコースをご紹介しました。2日目となる後編は、本島に点在するグスクをまわってみたいと思います。


今帰仁城跡(なきじんぐすくあと・なきじんじょうあと)

今帰仁城

最も北に位置する世界遺産、今帰仁城。東シナ海が一望できます

2日目 10:00am
朝8時に那覇を出発。高速、沖縄自動車道で一気に終点の許田インターまで。沖縄世界遺産をめぐる2日目は、本部半島にある今帰仁城からスタートです。沖縄のグスク群の中でも一番大きい今帰仁城は14世紀~16世紀頃に築城され、琉球が統一する前の三山鼎立時代には山北王の住居として、琉球統一の後は琉球王府から派遣された監守という役人の居城として使われていたものです。その大きさは首里城と同じくらいと言われ、地形を巧みに利用した城壁が美しく湾曲した線を描きます。かなり高台にあるため、城から眺める景色は圧巻。遥か眼下に真っ青な海と集落の姿を見下ろすことができますよ。また、この今帰仁城は沖縄では桜の名所としても有名です。

所要時間:30分~1時間
入場料:大人400円、子供300円
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村今泊219
今帰仁城跡管理事務所:0980-56-4400
地図情報:Yahoo!地図

そば街道で食べるそば、コザのタコライス、泡瀬で魚

そば

やんばるには昔ながらの老舗そば屋がたくさん。そば好きにはたまりませんね

今帰仁城を歩き回ってお腹が減ってきたところでちょうどお昼の時間です。せっかく本部まで足を延ばしているので、やんばるグルメを堪能していただきたいところ。近くには沖縄のカフェブームの先駆者的存在でもある花人逢(かじんほう)があるので、こちらでやんばるの絶景を眺めながらピザをいただくのもよし、きしもと食堂山原そば中山そばブラジル食堂といった名店が並ぶそば街道(県道84号)で沖縄そばをいただくのもよし。ただ、人気店は混んでいることも多いので行く前に電話で確認するなどしたほうがいいでしょう(ここであんまり時間を取られると後の行程に響きます!)。
コザ

ベース独特の雰囲気が楽しいコザのゲート通り

まったく趣向を変えてコザの町で元祖タコライスのチャーリーズ多幸寿に行くという選択もあります。昼間のコザの町はシャッターが閉まっている店がほとんどなので、いわゆるコザっぽい感じは楽しめませんが、英語の看板と日本語の看板がごっちゃになっている感じは伝わるでしょう。チャーリーズ多幸寿に行くなら許田インターからまた高速に乗り、沖縄南インターまで。
チャーリーたこす

コザのアベニュー通り(旧B.Cストリート)にあるチャーリー多幸寿

そしてもう一つの選択は東海岸の泡瀬漁港にあるパヤオ直売の食堂でお魚をいただくこと。ウニ丼、マグロ丼といった丼モノはもちろん、お寿司、天ぷら(沖縄の天ぷらです)などお魚メニューがずらり。漁港ですからもちろん新鮮。そして、安い! 沖縄ではよく魚をバター焼きにしたメニューを見かけますが、これがとっても美味しいのでぜひお試しください。ちなみにこちらでお昼ご飯をいただく場合、先に勝連城跡見学を済ませてから次の中城城跡へ向かう時によったほうが地理的に(時間的に)無駄のない移動となります。

勝連城跡(かつれんぐすくあと・かつれんじょうあと)

勝連城

沖縄の城の中で最も古いと言われている勝連城跡

2日目 2:00 pm
ランチの後は、東海岸うるま市にある勝連城跡へ。沖縄自動車道の沖縄北インターを使うのがよいでしょう。この勝連城は、当時琉球王国にも恐れられるほどの存在でこの地を統治していた有力按司(あじ)阿麻和利( )の城として有名。小高い山の頂きに造られたこの城からの眺めは素晴らしく、数ある城の中でも最高の大パノラマと賞されています。

所要時間:30分
入場料:無料
住所:沖縄県うるま市勝連南風原3908
うるま市教育委員会 098-978-7245
バスの場合、那覇バスターミナルから27番屋慶名線・52番与勝線・180番屋慶名線西原(うるま市 与那城)下車。徒歩約5分。
地図情報:Yahoo!地図

中城城跡(なかぐすくじょうあと)

中城城

晴れていれば、太平洋と東シナ海の両方の景観が楽しめる中城城跡

2日目 3:30 pm
勝連城跡見学のあとは、一般道を利用して中城城跡へ移動。30分ほどあれば到着です。中城湾に沿って北東から南西にほぼ一直線の連郭式に築かれた中城城は、15世紀半ば尚泰久王(しょうたいきゅう)時代に護佐丸が築いたと言われています。第二次大戦の戦禍をまぬがれ、県内でもっとも原型をとどめていることでも有名。また琉球石灰岩を使った城壁は、沖縄では唯一完全に近い形で残された貴重なものです。城跡からは太平洋と東シナ海を見渡すことができます。

所要時間:30分~50分
入場料:大人300円 中高学生200円 小学生100円
住所:沖縄県中頭郡北中城村字大城503
中城城跡共同管理協議会:098-935-5719
那覇バスターミナルから30番泡瀬東線中城小校前からタクシーで約10分。
地図情報:Yahoo!地図

座喜味城跡(ざきみぐすくあと・ざきみじょうあと)

座喜味城跡

読谷村の高台にある座喜味城は人影もまばらでひっそりとしています

2日目 5:20 pm
座喜味城

夕陽タイムにオススメは一の郭から眺め

世界遺産をまわる旅のラストは読谷村にある座喜味城跡。中城城跡から国道58号線へ抜け読谷村へ。15世紀初頭、先出の護佐丸によって築かれた城で、築城家としても名高かった彼が中城城へ移る前に住んでいました。今帰仁城跡や中城城跡とくらべるとコンパクトな印象を受けますが、非常に美しい城で、実はガイドの一番気に入っている城でもあります。この座喜味城からは素晴らしい夕景を眺めることができるので、スケジュールが許すなら日没にタイミングを合わせて訪れるのがオススメです。日没後は足元が暗くなるのでライトの用意があるとよいですよ。

所要時間:15分
入場料:無料
住所:沖縄県中頭郡読谷村字座喜味2975
読谷村教育委員会・文化振興課
098-958-3141
バスの場合、那覇バスターミナルから29番読谷線座喜味下車。徒歩約20分。
地図情報:Yahoo!地図

座喜味~那覇へ帰りのオプション北谷

砂辺

砂辺は観光客だけでなく地元の人たちにも人気のスポット

無事に世界遺産見学が終了したら、あとは那覇へと戻るだけ。読谷から那覇まではだいたい1時間半くらいと考えればよいでしょう。ここでもまだ元気あります!って人のために一応寄り道ポイントをご紹介しましょう。

読谷から那覇へ戻る途中にある北谷エリアにストップバイ。砂辺海岸のTRANSIT CAFFEやアラハビーチそばのデイジーカフェなど、このエリアには海に近い雰囲気を存分に楽しめるカフェレストランがあります。イメージ的には夜の湘南・鎌倉ってとこ。那覇に泊まっているとなかなか夜にこちらまで来ることはないので、夜のビーチタウンの雰囲気を楽しむいい機会として、お茶や食事をして帰るのはありですよね。
Jet Burger

北谷エリアにはアメリカンな味が楽しめるお店がいっぱいあります

また、Ishigakijima Kitchen Binシーサイドジェットシティバーガースなど、アメリカンな本格バーガーをいただけるお店もありますし、美浜アメリカンヴィレッジをブラブラとウィンドウショッピングしながら、気になる店で一休みというのも。カラハーイで沖縄ライブに盛り上がるもよし。週末ならひやかしがてらハンビーナイトマーケットを覗いてみては?


前編・後編にわたって沖縄の世界遺産をまとめてめぐる旅のコースをご紹介してきましが、いかがでしたか? 今回はコンパクトなスケジュールで見れるように、レンタカーを使って足早にまわるモデルプランを提案させていただきましたが、レンタカーはちょっと無理という場合は公共交通機関を利用して行くこともできます。その場合2日間で全部をまわるのは無理ですが、興味があるポイントがあればぜひ訪れてみてください。また、世界遺産は沖縄本島の各所に点在しているので、時間に余裕がある人はもっともっとゆっくり見てまわるとよいですよ。周辺の集落や、沖縄の海、山の緑など、世界遺産と一緒に色々な沖縄の風景と出会えることと思います。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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