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7つの外湯めぐりと絶品カニ料理! 1300年超の歴史を持つ「城崎温泉」の楽しみ方【兵庫】

兵庫県の日本海側にある城崎(きのさき)温泉は、開湯1300年を超える歴史を持つ静かな温泉です。冬には豊富な海の幸が手に入るロケーションを活かして、絶品のカニ料理まで楽しむことができる城崎温泉の魅力をご紹介します。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

楽しい外湯めぐりとカニ料理に舌鼓、城崎温泉

ひと口に温泉と言っても、大きな旅館・ホテルがいくつも立ち並ぶにぎやかな温泉や、山あいの静かな温泉、秘湯と言われる人里遠く離れた温泉など、さまざまなタイプがあります。気分に合う温泉でリフレッシュするというのも旅の楽しみの1つですね。

今回は星の数ほどある温泉地の中から、城崎(きのさき)温泉をご紹介します。文豪が書いた小説の舞台にもなった長い歴史を持つ温泉では、外湯めぐりと絶品のグルメが楽しめますよ。
城崎温泉の温泉街(5)

浴衣姿で外湯めぐりを楽しめる城崎温泉の温泉街(2023年11月撮影)

 
<目次>
 

開湯1300年超の長い歴史を持つ静かな温泉

城崎温泉(1)

円山川の支流、大谿川の川沿いに小さな旅館やお店が軒を並べる城崎温泉(2023年11月撮影)

城崎温泉Googleマップ)は、兵庫県の北部・豊岡市にある温泉です。
城崎温泉の温泉街(2)

城崎温泉の夏。柳の緑が訪れた人々の目に留まります(2006年8月撮影)

すぐ近くを流れる円山川(まるやまがわ)の支流、大谿川(おおたにがわ)の畔を中心にして、小さな旅館やお店が軒を並べる静かなたたずまいの温泉です。夏は川沿いに植えられた柳の木が訪れた人々の目に留まります。
城崎温泉の温泉街(3)

温泉街に灯る「城崎温泉開湯1300年」を記した灯(2023年11月撮影)

歴史は古く、城崎の地に温泉が湧出したのは奈良時代に遡ります。2020年には開湯1300年を迎えました。小説『城之崎にて』を執筆した志賀直哉や、島崎藤村、与謝野晶子、有島武郎、徳富蘆花など数多くの文豪が城崎の湯に癒されに訪れています。

温泉街の中にある城崎文芸館(KINOBUN)で文豪の足跡をたどることができますし、温泉街のいたる所にある文学碑をめぐるのも楽しいですね。
 

7つの外湯を浴衣でのんびりめぐりましょう

城崎温泉外湯・一の湯(日中)

城崎温泉の外湯・一の湯。城崎温泉には浴衣が似合います(2006年8月撮影)

城崎温泉には、7つの外湯があります。この外湯をタオル1本携えて浴衣姿でめぐるのが城崎温泉を楽しむスタイル。

城崎温泉の旅館は、他の温泉街と比べて規模がコンパクトなため、旅館に内湯はあっても小さい湯船だけというところが多いです。そのため、外湯へ行って大きな湯船に浸かるというスタイルが確立されました。旅館のお風呂の延長という形なので、宿泊者は旅館で無料の外湯めぐり券を受け取り、外湯に浸かることができます。

日帰り入浴の場合はそれぞれの外湯で入浴料を支払う形ですが、外湯めぐりを楽しむ人向けに1日入り放題となる「外湯めぐり券 ゆめぱ」も発売されています。外湯に2つ以上入る方は「外湯めぐり券 ゆめぱ」がお得になります。
城崎温泉外湯・さとの湯

城崎温泉駅に隣接する外湯・さとの湯(2023年11月撮影)

それでは7つの外湯を順に紹介しましょう。

最初は外湯の中で城崎温泉駅に1番近い「さとの湯」。駅のすぐ横にあり、展望露天風呂も備えています。入口には足湯(無料)もあり、電車の待ち時間がある時にも利用しやすいですね。
城崎温泉外湯・地蔵湯

川沿いの1番端にある外湯・地蔵湯(2023年11月撮影)

城崎温泉駅からお食事処やお土産屋、旅館が並ぶ道を歩いて、川沿いの温泉街まで来ると外湯「地蔵湯」があります。六角形の窓が特長ですね。
城崎温泉外湯・柳湯

川沿いにある小さな外湯・柳湯(2023年11月撮影)

地蔵湯から川沿いの道を少し歩いた所にあるのが「柳湯」。他の外湯と比べると少し小さめのお風呂になります。
城崎温泉外湯・一の湯(夜)

夜もモダンな雰囲気が漂う一の湯(2023年11月撮影)

柳湯からはすぐ近くにある「一の湯」。温泉街のちょうど真ん中あたりにあります。貫禄を感じさせる建物が、印象に残りますね。

日中の雰囲気も良いのですが、夜の雰囲気もまた格別です。
城崎温泉外湯・御所の湯

開放感がある露天風呂を持つ御所の湯(2023年11月撮影)

一の湯から奥の温泉街は、川沿いから少し離れます。その途中にあるのは「御所の湯」。立派な門構えは京都御所をイメージしているとのこと。古くからある外湯ですが、若干場所を移動して2005年にリニューアルされました。開放感がある露天風呂を楽しめます。
城崎温泉外湯・まんだら湯

温泉街から少し奥まったところにあるまんだら湯(2002年1月撮影)

温泉街から奥まったところにある「まんだら湯」は、城崎温泉にある温泉寺の開祖、道智上人の祈願により温泉が湧き出したとされる外湯。ここには丸い檜の桶風呂があります。
城崎温泉外湯・鴻の湯

温泉街の1番奥にある鴻の湯(2002年1月撮影)

そして、温泉街の1番奥に位置する「鴻の湯(こうのゆ)は、外湯の中でも1番古いと言われています。ここにははるか昔、足を痛めたコウノトリが湧き出していた温泉のお湯で傷を癒していたという言い伝えが伝わっています。

ここからは城崎温泉ロープウェイや温泉寺が近いので、散策帰りに寄るのも良いでしょう。
 

それぞれが個性的な魅力を持つ7つの外湯。1回の訪問で7つ全部を回ろうとする方もいらっしゃいますが、この場合は以下に示す注意事項があります。
  • 外湯には月曜から金曜の間に定休日が設定されています。翌日に入ろうと思っても、定休日で入れない場合があります。
  • 外湯の営業時間は7時~23時が基本ですが、例外として営業開始が13時や15時から、営業終了が21時になる外湯がありますので、湯めぐりする順番には注意が必要です。
  • 旅館に泊まる場合は、夕食の時間等も勘案する必要があります。
外湯をたくさん回りたい方には、城崎温泉での滞在時間をたっぷりと取ることをおすすめします。
 

冬ならばカニ料理を堪能したい!

城崎温泉駅で見られる「冬の味覚 かに」ののれん

城崎温泉駅に降り立った旅人を迎えてくれる「冬の味覚 かに」ののれん(2023年11月撮影)

日本海に近い城崎温泉の冬の楽しみといえば、なんと言ってもカニ料理!
豪勢なカニ料理の数々

城崎温泉の冬の楽しみ、豪勢なカニ料理の数々!

かにスキ、ゆでガニ、焼きガニ、カニのお刺身に、かにスキの後のお雑炊……と、まさにカニづくし。松葉ガニをたっぷり堪能できます。

初めて城崎温泉の旅館に泊まった時、旅館の方から「今晩はたくさんのお料理が出ますので、昼食は軽めに済ませておいてください」と言われるほどのボリュームでした。
城崎温泉の温泉街(4)

食事後の外湯めぐりで夜の温泉街を散策するのもおすすめ(2023年11月撮影)

もちろんおいしいカニ料理を食べた後で、腹ごなしに温泉街を歩いて外湯に浸かるのもいいですね。

絶品グルメと外湯めぐりが楽しい城崎温泉をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか? 周囲には、玄武洞、城崎マリンワールド、出石(いずし)など観光スポットも点在していますので、時計をはずしてのんびりと城崎温泉を訪れてみてください。 
 

城崎温泉へのアクセス

JR城崎温泉駅

城崎温泉の玄関口、JR城崎温泉駅(2023年11月撮影)

地図:Googleマップ
アクセス:
<鉄道>

特急「きのさき」「こうのとり」

城崎温泉へのアクセスとなる特急「きのさき」「こうのとり」

東海道新幹線 京都駅から、特急「きのさき」に乗車して城崎温泉駅下車。または新大阪駅から特急「こうのとり」、大阪駅から特急「はまかぜ」も利用できます。

宿泊者専用の無料送迎チェックインバス

城崎温泉の宿に宿泊する方のみが利用できる無料送迎チェックインバス(2023年11月撮影)

城崎温泉の宿に泊まる場合、駅前から宿まで運行する送迎バス(無料)を利用できます(12時半~18時頃まで)。早めに宿に着いて荷物を置いた後、外湯めぐりや観光を楽しめます。

<飛行機>
大阪・伊丹空港より、コウノトリ但馬空港へ。飛行機発着に連絡して城崎温泉駅行きの空港リムジンバスが運行されています。

<車>
中国道 福崎ジャンクションから、播但連絡道経由で北近畿豊岡道に入る。但馬空港インターチェンジから国道312号線と円山川沿いの県道を進み、城崎温泉へ。温泉街の中に駐車場が点在しています。

 

【関連サイト】
「関西の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで関西の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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