防犯/詐欺を防ぐ

振り込め詐欺から親を守る5つの約束

わが子を思い、子どものためと信じて大金を振り込んでしまう世の親たち。振り込め詐欺は財産を奪われる悪質な犯行です。親が被害に遭わないための5つの約束を覚えておきましょう。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

あなたの親がターゲット!

「ええっ? 振り込んじゃった?」
「ええっ? 振り込んじゃった?」
「振り込め詐欺」いわゆる「オレオレ詐欺」は、銀行での振込みができる平日の午前から午後2時くらいまでに電話がかかってきます。つまり、その時間帯に家に一人でいる主婦が狙われるのです。

いわゆる「オレオレ詐欺」事件の被害者の約62%が女性です。60歳代の女性が全体の約21%でもっとも多く、次いで50歳代、70歳代となっています。これは、子どもや孫の年齢が20代から40代の年代です。ご自分の親の年代を考えてみていただくと、ほとんどの方がこの世代ではないでしょうか。

50歳代女性 約16%
60歳代女性 約21%
70歳代女性 約16%

大切な親が大金を振り込んでしまう…それは確かに自分のことを思って、してくれることですが、そんなことで親の愛情を確認するのはむなしく悲しいことです。そうならないようにするのは、子や孫の役目であり、親への愛情です。そこで、被害を防ぐためにこれだけは押さえておきたい、というポイントを下記に全5条あげてみます。

第1条 自分の弱点を知っておけ!

「振り込め詐欺」は息子や孫、夫など(ときには娘や孫娘)の不慮の事態や不祥事を「お金で解決できる」といって、大金を振り込ませるものです。

運転免許を持つ人→「交通事故を起こした→示談金を」

男性なら誰でも→「痴漢で捕まった→示談金を」

教職員など→「性犯罪を犯した→慰謝料・示談金を」

若い未婚男性(既婚でも)→「女性を妊娠させた→中絶費用・慰謝料を」

成人なら誰でも→「借金の連帯保証人になってしまった→肩代わりを」

勤めている人→「勤務先の金を使い込んだ→穴埋めを」

医療従事者(医師・看護師他)→「医療過誤で患者さんが大変なことに→慰謝料・もみ消しの費用を」


といったように、人生の一大事が起きて、「お金で解決しないと大変なこと→拘留される、会社をクビになる、資格を失う、社会的に破滅する…などの事態になる」→「だからすぐにお金を振り込め!」というパターンがほとんどです。

多くの男性が運転免許証を持っていることから、当初は交通事故を理由にした「振り込め詐欺」が多かったわけですが、さらに、男性なら誰でも「痴漢」の疑いをかけられることがあり得る点から、「痴漢」を理由にしたケースが増えています。

また、教職員や医師などを狙った、明らかにターゲットを選んだ犯行も発生しています。なんらかの名簿=リストを元にして精度を高めてきたということでしょう。教職員などは、携帯電話などで確認のとれない授業中の時間帯を狙ったりするなど、まさにピンポイントで狙ってくるのです。

ご自身のことを振り返ってみて、「自分が理由にされて、親や祖父母がお金を振り込んでしまうような事情とは何か?」を考えておきましょう。つまり、「自分にとっての弱点」「家族が困る自分の不祥事は何か?」といったことです。自分の社会的立場、職業柄などから、考えられる事態を考えておくべきでしょう。

→・第2条 親と「振り込め詐欺」について会話せよ/第3条 警戒のための貼り紙を用意せよ
→→・第4条 連絡のバックアップをせよ/第5条 電話機の機能活用を伝えよ/あなたの一票/関連防犯ガイド記事
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