メンタルヘルス/詐病・心気症・思いこみによる病気

仮病より深刻…詐病はどうやって見破る?(2ページ目)

仮病はよく使われる言い訳のひとつですが、病気を装う目的が悪質な場合は、詐病という語がふさわしくなります。詐病をする人は心の病気なのでしょうか? また、どうやって見破るのでしょう?

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

詐病の見分け方

本人が訴える症状は、頭痛、腹痛、背部痛などの痛み、めまい、気分の落ち込み、不安感、記憶喪失といったものが多く、曖昧であったり、大げさ過ぎたりして、具体的にどの病気であると診断するのは困難であり、また、例え、病気と偽っているように見えても、その虚偽性をはっきりさせにくいものです。

しかし、詐病は、ある目的の為に、病気のフリをしているわけですから、何か本当の病気とは違う、以下のような不自然さがあります。

  • 薬物を手に入れる、金銭的利益を受ける、刑罰が軽減されるといったような、はっきりした目的がある
  • 本人の関心は、自分の病気の状態や治療法よりも、むしろ、診断書を書いてもらうといった方向に向いているように見える
  • 症状を大げさに訴えていても、その内容は曖昧で、検査所見と矛盾している点があったり、どの病気であるのか、はっきり診断できないものである
  • 検査をごまかそうとしたり、自傷行為がある
  • 過去に疑わしい病歴がある

    本人が巧みに病気を演じていると、最初は、なかなか分からないかもしれませんが、時間をかけて、何回も接していると、上記のような不自然さが次第に現れてくるはずです。しかし、詐病の明確な証拠がない場合は、嘘発見器にかけて判定という訳にもいかないでしょうし、また、相手の嘘に気付いて、怒ってしまったら、医師と患者さんとの治療関係を損なってしまいますし、難しい点があると思います。ともあれ、法律に触れるような大きな仮病はよくないことです。本当に病気の人も困ってしまうので、しっかり自己管理していきましょう。


    <All About関連>
  • 人を人として見ることができない 反社会的人格障害とは?
  • 大人の7人に1人は人格障害
    • 前のページへ
    • 1
    • 2
    ※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
    ※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
    免責事項

    あわせて読みたい

    あなたにオススメ

      表示について

      カテゴリー一覧

      All Aboutサービス・メディア

      All About公式SNS
      日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
      公式SNS一覧
      © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます