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退職時のマナー!仕事を辞める際の9つの常識と礼儀

退職の理由は人それぞれあると思いますが、それが何であれ、適切なマナーを持ち、礼儀正しく引き継ぎや挨拶を行い、会社の人間や関係者に迷惑をかけることがないようにしたいですよね。上司への報告や、最終出社日までにすべきことなど退職のマナーを見てみましょう。

美月 あきこ

執筆者:美月 あきこ

ビジネスマナーガイド

退職するときのマナーと段取りは?

退職時のマナー!仕事を辞める際の9つの常識と礼儀

退職のマナーと段取り



今の職場を辞めて、新しくスタートを切るという方、転職や退職の理由は様々だと思います。もしあなたが退職をする方であれば、「立つ鳥、跡を濁さず」という言葉があるとおり、今までお世話になった方々にきちんとご挨拶をして失礼したいものですね。今回は、退職時のマナーについてご紹介しましょう。
 
<目次>
 

退職の伝え方とタイミングは?

よくドラマなどで、主人公が「辞表」や「退職届」をスーツのポケットから出して、上司の机の上に置き、そのままオフィスを出ていくシーンがありますが、現実の世界では、届けを出したその日に辞めることはできません。

辞めることを心に決めていたとしても、いきなり退職届を出したり、他の人がいる前で「辞めます」などと切り出すのはマナー違反。まずは直属の上司に「折り入ってお話があるのですが」と個別に時間を取ってもらうようにします。静かに落ち着いて話せる会議室などで、「実は、退職させていただくことを考えております」と切り出すようにします。

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退職は、いつ誰に切り出すべき!?
 

退職理由は本当のことを言った方がいい?

「なぜ、退職したいのか」という理由を聞かれると思いますが、「誰それがどうだ」というような人の悪口や「お給料が低い」など職場や勤務先に対する不満を言ってしまうと、「では、職場の状況を改善するから」と言われたら、辞める理由がなくなってしまいます。あくまでも、「一身上の都合」で通しましょう。

ただ、「家族の介護」や「自分の病気」などが理由の場合は、職場によっては、在宅での仕事が可能になったり、出勤形態を配慮してくれる可能性もありますから、相談してみてはいかがでしょうか。ただし、家族の介護や病気を退職理由にしてウソをつくことはやめましょう。マナー違反です。

退職の理由をあえて伝えるとすれば、「ずっと勉強を続けてきたことについて、そろそろ実力を試したくなった」など、気持ちよく送り出してもらえるような理由を伝えるようにしましょう。

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本音?建前?転職理由・退職理由の書き方まとめ
 

退職はいつまでに言い出せばいい?

法律では、退職届を提出してから2週間で退職することが可能です。とはいえ、後任の人を探し、引継ぎを済ませるには、短くとも1ヶ月半、できれば3ヵ月ほどは必要でしょう。「辞める」と言ってから、しばらく職場に残るのは居づらいと感じるかもしれませんが、それくらいの時間の余裕を持って申し出るのがマナーです。

また、退職するにあたって未消化の有給休暇が残っている人もいるでしょう。有給休暇の取得はもちろん権利ではありますが、ここで大事にしたいのは後任者への「引継ぎ」です。後任者にきちんと引継ぎが行えるスケジュールを立ててから、有給休暇を取るようにしましょう。

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退職願の書き方サンプル

あなたの職場に定型書式があれば、それに従ってください。「特に決まったものはない」という場合は、下記を参考に作成してみてください。手書きでもパソコンでも、いずれでも大丈夫です。印鑑の押し忘れに注意しましょう。

退 職 願

令和○年○月○日

株式会社 ○△コーポレーション
代表取締役 社長
□本△○夫 殿
営業推進部
美月あきこ 印

私は、このたび一身上の都合により、令和○年○月○日をもって退職いたしたく、
お願い申し上げます。
 

「退職届」と「退職願」の違い

上司に口頭で退職の意向を伝えた後、「退職願」を提出しますが、「退職届」と「退職願」は、意味が少々異なります。「届」は、「もう辞めることにしましたので」というような少し強いニュアンスで、提出した時点で有効となります。対して、「願」の方はおうかがいを立てるもので、受理された時点で有効となりますので、これらの違いに注意してください。

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退職願の書き方!書くポイントや道具・提出時期や引き留められた場合
 

退職時は、名刺も備品も置いていく

仕事場を去る前に、自分の使っていたパソコンは必要なデータ以外は消去し、資料もあわせて後任者の人が見やすいように整理します。事務用品も「最後だから」とばかりに持ち帰らないこと。経費で購入した物品は、会社から貸与されたものですから、会社に置いてきてください。

名刺も同じです。自分の名刺はもちろん(退職するわけですから持っている必要もありませんが)、仕事上でご挨拶した方々から頂戴した名刺も会社の財産ですから、置いてきましょう。退職が決まったら、後任者にいかにきちんと業務を引き継ぐかが最後の大切な仕事になります。
 

退職時の引き継ぎは、細かいことまでしっかりと

どんな小さな事項も、メモにするか1冊のノートにまとめるなどして「引継ぎ書」を作成しましょう。

後任者も、聞いたその場では、わかったつもりになるかもしれませんが、行う頻度が低い業務や目の前に実物がないものについての説明など、口頭で数度伝えるだけでは、なかなか理解するのは難しいものです。

一通りの業務を一定期間一緒にやってみるのが最善ですが、後任者が最後まで決まらない、あるいは忙しくて一緒に引継ぎが出来ない、などの場合でも、これを見れば誰でもわかる!というような「引継ぎ書」を作っておきましょう。退職後「これどうするんだっけ」というような問合せの電話がかかってくることもないでしょう。

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業務引継書の書き方と完璧な残務整理のコツ6
 

退職願が受理されてから報告する

辞めると決めてからは、「親しくしてきた人たちになるべく早く報告したい」という気持ちはわかりますが、報告するのは、退職願が正式に受理されてからにしましょう。人事から情報がオープンにされてからが目安です。

社内でお世話になった方々には、お付き合いの程度にもよりますが、1週間~10日ほど前にメールで連絡を入れればよいでしょう。取引先やお客様には、挨拶状など書面でご挨拶するようにします。

挨拶メール・挨拶状の内容
  • 退職年月日
  • 退職理由(一身上の都合で問題ありません)
  • 在籍中お世話になったことへのお礼
  • 退職することによって迷惑をお掛けするお詫び
  • みなさんのご活躍とご健勝をお祈りする気持ち

必要な方には、個人の電話番号やメールアドレスなど、退職後の連絡先を書いておきます。

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退職後の連絡先も伝えておく

業務上、後任者がどうしてもわからないことが出てくるかもしれませんので、退職後の連絡先を後任者や関係者に連絡しておきます。退職後とはいえ、質問の電話やメールがあった場合には、快く答えるようにしましょう。

転職や結婚、出産など退職の理由は、いろいろあると思いますが、最後は、やはり笑顔で送り出してもらいたいもの。みんなに「がんばれ」と背中を押してもらえるような立ち去り方をしたいものですね。

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