2009年は、税制・金利ともに悪材料はなし
では、2009年の中古マンション市場はどうなるのでしょうか。市場に影響する要素について考えてみましょう。
まずは
税制面。注目されていた
住宅ローン控除の拡充策が、2008年12月12日に発表された2009年度の与党税制改正大綱に盛り込まれました。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りてマイホームを購入した場合に、その年末残高の一定割合の所得税が戻ってくるという減税制度のこと。2008年内に入居した場合は、控除額の最大が160万円でした。
これに対して今回の改正で、2009年と2010年に入居した場合は、
控除額が500万円にアップします。さらに、一般住宅よりも寿命が長い「
長期優良住宅」に認定されたものを取得して、2009年から2011年までに入居した場合は、
控除額が100万円上乗せされて
最大600万円になるのです。
これによって、高額物件がさらに購入しやすくなるのではないでしょうか。
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| 与党税制改正大綱の発表を報じる新聞記事。住宅減税は、2009年度税制改正の最大の目玉のひとつ |
今回の大綱には、もう一つ踏み込んだ内容が出ています。
これまでの住宅ローン控除は、対象が所得税だけでした。実際に支払っている所得税が、ローン残高から計算した控除枠より少なければ、控除しきれない未消化分が発生していたのです。しかし2009年度からは、
控除の対象が住民税まで広げられます。つまり、所得税から控除した残額がある場合は、翌年度の住民税から減額されるようになるわけです。その結果、以前と同じ金額のローンを組んでも、軽減される税金が拡大することになります。
高額物件だけでなく、一般的な住宅にも好影響を与える可能性も出てきました。
その他、「
長期優良住宅」を新築した場合の所得税の特別控除、
バリアフリー改修工事に対する所得税控除、
土地譲渡益を一部控除する特例などが創設されます。
大綱の内容通りになるかどうかは、2009年の国会を通過してみなければわかりません。ただ、方向性としては、
住宅や不動産の取引に追い風になることは間違いないでしょう。
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| 低金利状態はしばらく続きそう(イメージ写真) |
次に、
ローン金利についても、景気の悪化や株価の下落などを反映して、当面は上がりそうもありません。2006年にゼロ金利政策が解除されて、金利の先高感が強まったときのように、あせって買い急ぐ必要はないでしょう。
ただ、個人向けの住宅ローンについても、金融機関の審査が厳しくなっているという話を耳にするようになりました。仮に不景気が深刻になって所得水準が下がるような事態になると、借り入れ可能額が減ってしまい、購入予算に影響するおそれはあるかもしれません。
物件量が豊富で買いやすい好環境が続きそう
さて、いよいよ気になる
価格相場についてです。
結論からいうと、昨年まで下落傾向にあった中古マンションの価格が、すぐに底を打って値上がりに転じるとは思えません。しばらくは
物件数も豊富ですし、
リーズナブルな価格帯で売りに出る傾向が続くのではないでしょうか。
高止まりしていた新築マンションは、数百万円単位の価格改訂をするケースが珍しくなくなってきました。また、資材価格も種類によっては下がってきているため、建築コストが圧縮されています。地価が下がってから仕入れた土地に開発した物件が出てくるようになれば、分譲価格も下がってくる可能性があります。
ただ、中古マンションの場合、売主は個人で住宅ローンを抱えているのが一般的ですから、それほど大幅に値下げをすることは難しいはずです。また、もともと新築に比べて2~3割低い価格帯で売りに出ている物件が多いので、そこからさらに何割も下がるとは考えにくいでしょう。
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| 買い主のライフプランが一番大事(イメージ写真) |
完全に相場が底を打ってから買いに入るのはプロでも難しいといわれます。
わずかに下がり気味のときが、実は買いやすい時期。気に入った物件が見つかり、この先も大幅には下がらないと判断したら、迷わず行動するのが賢明です。
「
買い時」かどうかの最終的な判断は、買主のライフプランによって決まると常々お話ししてきました。とはいえ、少なくとも中古マンション市場という
外部環境は悪くありません。物件量が豊富でじっくり選びやすい上に、
値ごろ感も広がっています。非常に動きやすい状況にあるという意味では「
買い時」といっても良いのではないでしょうか。