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茗荷谷、小石川、小日向を擁する文京区の人気地域

駅名よりも地名にブランド力がある街、東京メトロ丸の内線茗荷谷。小石川や小日向などの屋敷街に幾多の学校を擁する文教地域は、ファミリーを中心に根強い人気。その魅力を見ていきましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

池袋から2駅、5分
茗荷谷は高台にあるお屋敷街

茗荷谷駅前を走る春日通り
茗荷谷駅前を走る春日通り。通り沿いにはビル、マンションに飲食店などが並ぶ
大手町や東京、銀座、赤坂見附など都心を繋いで池袋から新宿方面に走る東京メトロ丸の内線の、池袋から2駅、5分の場所にあるのが茗荷谷。かつて茗荷の畑が広がっていたから、あるいは江戸時代に鉄砲方の旗本・武家人が信心した冥加稲荷がその名を変えたためとも言われる地で、駅を降りると目の前には春日通りが走っています。

月参堂
千川通りから春日通りに向かう善光寺坂。右手が地名の由来になった長野の善光寺の分院、月参堂
文京区は小日向台、小石川台、白山台、本郷台、関口台といった5つの高台とその他の低地から成り立っていますが、ここ、茗荷谷駅の前を通る春日通りを挟んで、そのうちの2つ、小日向台と小石川台があります。高台は古くから住居に適し、大名屋敷や武家地、寺社地となってきましたが、ここ、茗荷谷近辺も事情は同じ。高台は春日通りを中心として広がり、千川通り、神田川、目白通りに向かっては下りの急坂となっています。

茗荷谷周辺の通り、地名などの位置関係図

茗荷谷周辺の位置関係
春日通りを中心に高台が広がり、千川通り、神田川に向けて土地が低くなる、茗荷谷周辺


お茶ノ水女子大学
明治8年に東京女子師範学校として創立されたお茶の水女子大学。中学校までは男女共学だ
当然、この高台は古くから開発されており、徳川家康の生母の遺骨のある伝通院を始め、寺社仏閣が多いのはその名残りです。そして、もうひとつ、大きくこの土地のイメージに貢献しているのが、大名屋敷や武家地などの広大な土地を利用した大学などの学校の存在です。目立つところでは、現在、教育の森公園、文京区スポーツセンターなどに利用されている東京教育大学(現筑波大学)の跡地(現住所は大塚)で、ここは元水戸徳川家の分家、守山藩松平家の下屋敷でした。また、桜並木で有名な播磨坂は松平播磨守の屋敷跡ですし、少し離れますが、東京ドームシティや小石川後楽園、中央大学工学部は水戸徳川藩藩邸(現住所は春日)だったことは有名です。

歩いて実感、
学校、緑、坂道の多い街

春日通り沿いの竹早高校、学大付属校など
東京学芸大学付属竹早小中学校や都立竹早高校なども春日通り沿いにある
実際に街を歩いてみると、お茶ノ水女子大学、跡見学園女子大学、拓殖大学、筑波大学付属高校・中学、都立竹早高校、東京学芸大学付属竹早小学校・中学校、淑徳学園高校・中学校など、枚挙に暇がないほどの学校が点在。学生の姿もよく見かけます。また、教育に熱心な家庭が多いのでしょう、駅周辺には予備校や学習塾もかなりの数があります。

播磨坂
東西に450mほども続く播磨坂は桜の名所。坂の両側にはしゃれたレストランなども
歩いてみてもうひとつ、実感するのは、緑の豊富さ。駅に近い前出の教育の森公園や播磨坂は言うに及ばず、通り沿いの並木や個人の住宅やマンションの植栽など、あちこちに緑があり、しかも、よく手入れされているのです。これは歴史がある街ならではの魅力。また、住環境に関心のある住民が多いことの証明でもあり、住みやすさを垣間見る思いがします。

今井坂
春日通りから丸の内線を超えて神田川方向へ向かう今井坂。途中に徳川慶喜終焉の地がある
ただ、春日通り、千川通りなど、通り自体は平坦なのですが、そこを横切るためには坂が必須。播磨坂のように比較的緩やかな坂もあれば、千川通りから春日通りに向かう善光寺坂、春日通りから小日向寺町への今井坂のような急坂もあり、この土地に暮らすためには、足腰の丈夫さも大事かも知れませんね。

では、次ページでは住宅事情、再開発情報などを見ていきましょう。
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