住みたい街 首都圏/キケンな街の見分け方

地震時に危ない場所は見えている(2ページ目)

地震の発生自体は止めることも、完全に予測することもできません。しかし、地震から派生する危険の中には、街を観察することで回避できるものがあります。ここでは、危険回避のための観察術を紹介しましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

崖、橋、坂……
落下、崩落する危険

補強してある崖
段差のある土地では崖崩れの危険性も考えておこう
被災後の帰宅や避難所への移動を考えると、自宅周辺道路の安全も見ておきたい点。途中に橋や崖、坂がある場合は、落下や崩落の危険性がないか、その経路が使えなかった場合の帰路、避難路などについても調べてみること。特に、高低差の大きい地域では、道路が遮断されるまでいかなくても、車が使えなくなくなるだけで、日常生活が不便になりますから、注意が必要です。

自動販売機、放置自転車、ゴミ……
逃げ道を塞いでしまう危険

古い塀
古いブロックや石などの塀は崩れて道をふさぐ危険が高い
災害時には、ごく日常的なものが、危険物に変わります。たとえば、道幅の細い道に置かれた自動販売機や駅前の放置自転車が倒れて道をふさぎます。揺れに耐えられず、頭上から看板やバルコニーに置かれた鉢植えが落ちてきます。古い壁が崩れて、道が土砂に埋まります。放置自転車や自動車に火が燃え移り、爆発することもありえます。

放置自転車
放置された自転車は通路をふさぎ、かごに放り込まれたゴミは火の元になる
これは街中だけではなく、建物内でも同様。よく、自分の家の前に自転車や荷物などを置きっぱなしにしている人がいますが、いざというときには、その荷物が道をふさいで逃げ遅れることもあります。乱雑にモノが置かれている街、場所、建物は逃げ遅れや、延焼の可能性が高い場所、危険な場所というわけです。

悪い事態を想像、
上下左右、周辺も見てみよう

路地の自販機
商店街では自販機や道に張り出して置かれた商品などが凶器になる可能性も
私たちは通常、悪いことを想像して街を歩いたりはしません。特に家を買おうと思っているときには、その街の良いところ、楽しいところだけを考えがちです。しかし、危険は常に身の回りにありますし、見るつもりがあれば、必ず、見えています。「ここに自動販売機がある、便利だ」はイコール「この自動販売機が倒れたら、道をふさぐ」でもあるように、危険を回避するためには、悪いことを想像する視点も大事なのです。

その視点に加え、街を歩くときには、頭上や左右を見たり、脇道を歩いて見るなど、無駄な動きをしてみること。そうすれば、目標地点までまっすぐという歩き方より、より多くの危険を発見できるはずです。

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