提供:田辺三菱製薬

薬の上手な使い方

更新日:2012年04月20日

なぜ水虫などにはステロイド外用剤を使えないの?

ステロイド外用剤は炎症を抑える効果の高い薬です。しかし、炎症症状があっても、水虫など、ステロイド外用剤を使えない場合があります。ステロイド外用剤の特徴を踏まえ、正しく使用することで上手なセルフメディケーションを行っていきましょう。

ステロイド外用剤は炎症を抑える効果の高い薬です。しかし、かゆみや赤みといった炎症症状があっても、ステロイド外用剤を使えない場合があります。ステロイド外用剤が使えるものと使えないもの、その違いはどこにあるのでしょうか。ステロイド外用剤の特徴を踏まえながら、探っていってみましょう。

ステロイド外用剤が効く仕組みとは?
 

まずは、湿疹・皮膚炎とステロイド外用剤についておさらいしましょう。私たちの身体には、さまざまな刺激に対する防御反応として「免疫システム」が備わっています。普段は身体を守ってくれる免疫システムが過剰に働くと「炎症」が起き、皮膚が赤くなる、腫れる、かゆくなる、痛むなどの湿疹・皮膚炎の症状があらわれます。

ステロイドの作用を正しく理解して薬の使用を!

ステロイドの作用を正しく理解して薬の使用を!

ステロイド外用剤には、免疫システムの過剰な働きを抑えて次の炎症を起こさせない「免疫抑制作用」と、いま起きている炎症を抑える「抗炎症作用」があるため、湿疹・皮膚炎にとてもよく効くのです。炎症が起こると、ヒスタミンなどのかゆみ物質も出現してくるため、かゆみが伴うことが多いのですが、炎症そのものを抑えることでかゆみ物質も出現しなくなり、つらいかゆみが消えていきます。

ステロイド外用剤には、ほかに「血管収縮作用」「細胞増殖抑制作用」などもあり、これらが総合的に働いて炎症を抑えます(「薬の種類と選び方ステロイド外用剤とは」参照)。

これまでご紹介してきた、主婦湿疹(手湿疹)、あせも、虫刺され、じんましんは、何らかの刺激を受けたことにより免疫細胞が活性化し、炎症を起こす物質を分泌したり放出したりした結果起こる炎症の一部です。ですからステロイド外用剤が効くのです。

しかし、皮膚の赤みやかゆみなどの炎症症状があっても、ステロイド外用剤が使えない場合があります。

ステロイド外用剤の使えない場合とは?
 

ステロイド外用剤のもつ免疫抑制作用が、かえって症状を悪化させてしまう場合があるのです。それは皮膚感染症です。

感染症とは、病原体の感染によって起こる病気です。私たちの身体は、病原体が入り込むと、免疫システムを駆使してその病原体を殺し、身体を守ろうとします。赤くなって腫れたり、かゆくなったりする炎症症状は、その場所で免疫細胞が病原体と闘っている証拠なのです。

そこに免疫抑制作用のあるステロイド外用剤を塗ると、免疫細胞の力が弱まり、病原体に対抗する力が失われてしまいます。そのため病原体の増殖を止められなくなり、皮膚感染症の症状が悪化してしまうというわけです。

皮膚感染症は、病原体の種類によって、主に真菌(カビ)性、細菌性、ウイルス性の3つに分けられます。

皮膚感染症を治すためには、これらの病原体の増殖を抑えなくてはなりません。例えば水虫は白癬菌という真菌(カビ)による皮膚感染症ですが、治療には抗真菌剤を用います。抗真菌剤は、真菌の成育や、真菌を形づくっている膜(細胞膜)の合成を阻害するなどして効果を発揮します。抗真菌剤の効果と、もともと私たちの身体に備わる免疫システムの働きによって、病原体である真菌は死んでしまうのです。

皮膚感染症は、炎症だけを抑えても治りません。病原体の増殖を抑え、殺すことではじめて根本的な治療ができるのです。

皮膚感染症の種類と代表的な病気、治療法

皮膚感染症の種類と代表的な病気、治療法


※抗真菌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤をまとめて抗生物質と呼ぶこともあります。

>>では、ステロイド外用剤が使えない皮膚感染症と治療法をご説明しましょう。

1 2
  • 印刷する
  • ブックマークする
  • 携帯に送る
  • ブログに書く

あわせて読みたい

この記事の担当ガイド

写真

門田 麻里

北里大学・薬学部卒業後、製薬会社の開発部や医薬情報担当者として10年以上従事。 また、身近な人たちか…

続きを読む

All About モバイル

QRコード

「湿疹・皮膚炎」がケータイでも読める!

このサイトは田辺三菱製薬の提供で運営されています。