大学生の就職活動/就職活動の準備

第二新卒 新しいキャリアプランの考察 1

景気回復と団塊世代の大量退職により、新卒はもちろん第二新卒も売り手市場。よって将来の転職も視野に入れた、すなわち「今」じゃなく「将来」を見据えた就職活動をしよう。就職留年とフリーターは避けるべし!

執筆者:見舘 好隆

やっぱり今年の新卒採用は売り手市場。
そして第二新卒もバブルである。

第二新卒
今年はいい知らせが多い。背伸びさえしなければ、うまくいくと思うよ。内定まだの皆さん、上を向いて行こう!
「就活終了学生、前年比で増加」─([en]学生の就職情報)のレポートのタイトルだ。親しい学生達からも朗報が頻繁に舞い込んでくる。もちろん彼らの頑張りの成果だが、採用市場も追い風だったのだろう。このレポートによると、4月中旬時点で内定した学生は35%。つまり3人に一人は内定をもらっていることになる。

さらに内定から就職活動終了の期間も短縮傾向にある。つまり第一志望から内定をもらえた割合が増えたことを意味する。ロストジェネレーション(バブル崩壊後の就職氷河期に就職活動をした世代。1993~2004年卒)にとっては、歯痒く感じるであろう時代の到来だ。

そしてレポートには、前年より学生の確保が厳しいと答えた企業が51%、追加募集を検討している企業が57%とある。最終面接でギリギリ手が届かなかった企業に再トライできるかもしれないし、エントリーに乗り遅れた企業にトライできるかもしれないぞ。諦めずに意中の企業の採用情報をチェックしよう。

さてここで、なぜ今、採用バブル、つまり学生の売り手市場になっているのだろうか。理由は明確である。

  1. 景気回復
    サブプライム問題や燃料・金属・食料のコスト増、円高など、不安定な要素は山積しているが、少なくともバブル崩壊以降のデフレからは脱却した。未だに非正規社員の雇用は減っていないものの、新卒採用を抑制するコスト的な要因は無くなったとみていい。
     
  2. 団塊世代の大量退職
    いわゆる「2007年問題」。団塊世代が60歳定年を迎えることで、新卒採用のニーズが高まる。定年間近であれば、大企業なら年収1000万は下らない。よって人件費的にも一人団塊の世代が辞めれば、3~4人新卒を採用しても良い計算になる。

以上の理由で新卒採用はバブルなのである。そしてここで気づくのは、同時に第二新卒も活況である事実だ。第二新卒とは、入社1~3年の職歴を持つ中途採用のこと。高卒も含めて20代から25、26歳くらい、また浪人や留年、留学、大学院卒勘案して27、28歳ぐらいまでの世代を指す。さて、新卒採用のみならず、なぜ第二新卒市場も活況なのだろうか。これも理由も明確だ。

  1. 年齢構成の修正
    バブル崩壊以降、新卒採用を控えた結果、いわゆる20台の社員層が薄くなってしまった。アンバランスなまま新卒を大量に採用しても、彼らを育てる層がいないと困る。そこで社会人経験を持つ若手、つまり第二新卒を採用するニーズが生まれる。
     
  2. 新卒採用の補充
    売り手市場ということは、当然優秀な学生の争奪戦となる。結果、目標採用人数に至らなくなる。とは言っても学生の質は落としたくない。よって、秋採用を視野に入れつつ、まだ企業の色に染まっていない、新鮮さが残っている第二新卒を採ることで、その不足分を賄うのだ。

今回は、この第二新卒という採用市場の活況を、現在就職活動をしているみなさんがどう捉えるべきかを考えるセッションである。

「そんなの関係ないよ!」

いやいや、実は関係あるのだ。結論を先に書く。

  1. やっぱり石の上にも三年である。
  2. 三年後の選択肢の一つに転職を考えてみる。

つまり、すなわち「今」じゃなく「将来」を見据えた就職活動をするべきなのだ。

※次のページで、入社3年以内に辞める理由を学ぶ!
※一度落ちた企業に再トライする場合、最終面接で僅差で落ちた時のみ合格する可能性があると思う。なぜなら1次・2次選考で「足りない」と判断された「企業が求める力」は、一朝一夕で身に付く力ではないからだ。さっさと忘れて他の魅力的な企業を探した方が良い。
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